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 会津若松市の鶴ケ城本丸で、観光客の憩いの場である2カ所の藤棚に置かれていた灰皿が26日、藤棚の外に出された。たばこが苦手な人たちに配慮し、受動喫煙を防ぐ対策の一環。愛煙家からは「時代の流れですね」との声も聞かれた。

 藤棚は鉄門(くろがねもん)と茶室麟閣(りんかく)の近くにある。いずれもベンチが置かれ、日差しを避けながら、天守閣の姿を座って楽しめる場所だ。ベンチの前に灰皿があり、本丸の広場で喫煙できるのは、この2カ所とされていた。

 鉄門側の藤棚の灰皿は3メートルほど離れた桜の下に。麟閣側の藤棚の灰皿は約7メートル移り、日光を遮るものがない場所に置かれた。

 きっかけは、12日の市議会一般質問で、佐野和枝氏が「景観の良い藤棚には子どもや妊婦など様々な人が集まる。喫煙場所を変更すべきだ」と訴えたことだった。佐藤光一観光商工部長が「受動喫煙防止のため、適切な場所へ変更したい」と答弁。天守閣を管理する一般財団法人・会津若松観光ビューローと調整を進めた。

 作業を行った観光ビューロー施設管理部の新井田信哉次長は「藤棚に煙が流れにくく、周囲に枯れ草など燃えやすいものがない場所を選んだ」と話す。灰皿には新たに「喫煙はこちらで」とのプレートも置かれた。

 好天に恵まれた26日、天守閣周辺は修学旅行の子どもたちや団体客でにぎわっていた。毎年、小学6年生と一緒に訪れるという才教学園小・中学校(長野県松本市)の小松崇校長(50)は移転したばかりの灰皿を前に「前は藤棚の中でしたね。不便になるのは仕方ない。戸外で吸えるだけでもありがたいと思います」と話していた。(戸松康雄)