【動画】記者会見する稲田朋美防衛相=瀬戸口翼撮影
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 稲田防衛相の30日の閣議後会見での記者団とのやりとりは次の通り。

     ◇

 稲田氏 冒頭、私から申し上げます。27日に板橋区で実施した東京都議選の応援演説は、板橋区の隣の練馬区に所在する練馬駐屯地など自衛隊を受け入れている地元に感謝する趣旨も入れた演説ではあったものの、誤解を招きかねない発言があったため、直後に趣旨を説明し、同日中に撤回、おわび申し上げた次第ですが、この場において改めて「防衛省、自衛隊、防衛大臣」の部分は撤回し、おわび申し上げます。

 ――野党が罷免(ひめん)を求めているが、大臣自身、職責についてどう考えるか。野党が求めている閉会中審査で改めて説明するつもりは。

 稲田氏 私としては、いま我が国を取り巻く本当に厳しい安全保障環境のもとで、国民の生命・身体・財産、我が国の領土・領海・領空をしっかりと守るべく、一層の緊張感を持ってしっかりと防衛大臣としての職責を果たして参りたいと思います。そのうえで、閉会中審査のおたずねがございました。また、臨時国会の早期開会についてもご指摘があります。私としましては、演説における発言について、27日に2度のぶらさがり会見を行い、本日この会見を通じてご説明をしたいということです。

 ――これまでの説明で十分ということか。

 稲田氏 あの……、今日も含めて……、演説の直後にきちんと趣旨は説明いたしましたが、今日の冒頭(発言)でも明確にさせていただいたところです。

 ――大臣は「防衛省、自衛隊、防衛大臣として」と言っている。「として」という言葉は「何々の立場」「何々に立って」という意味しかない。防衛大臣の地位を利用した選挙運動にあたらないのか。

 稲田氏 まず私としては防衛省、自衛隊、防衛大臣としてお願いということは全く、全くなく、あくまでも自民党として、自民党の国会議員としてお願いにうかがったわけです。そうしたことを述べたつもりでしたし、私の真意について誤解を招きかねないということで、『自衛隊、防衛大臣』の部分は撤回し、おわびを申し上げた。

 ――法曹資格を持つ大臣について失礼かも知れないが、発言には公職選挙法に違反するのではないか。

 稲田氏 公選法を順守することは政治家として当然でございますが、そういった地位を利用した選挙運動を行うということは全く意図しておらず、しかしながら、誤解を招きかねない発言であり、撤回したところでございます。

 ――意図はなくても公選法に違反するという指摘がある。撤回しても「既遂」と考えられる法律家の方が多い。法曹資格を持つ防衛大臣としてどう考えるか。

 稲田氏 はい。私としては、発言の誤解を招く部分については、撤回を申し上げているところでございますし、また地位を利用した選挙運動を行うことは全く意図としてございません。また、あくまで自民党の国会議員として応援演説にうかがったところですが、誤解を招く点については撤回をし、おわびを申し上げるところであって、地位を利用した選挙活動、選挙運動を行う意図は全くなかった。

 ――まさに地位を利用した選挙運動じゃないですか。撤回しても既遂は既遂だ。撤回には意味がない。

 稲田氏 私といたしましては、公選法、政治家として基本的に順守すべきことであって、その地位を利用した選挙運動を行うことなど、全く意図はいたしておりません。そして、誤解を招く発言については撤回を申し上げ、そしておわび申し上げているところであります。

 ――誤解を招く余地は全くない。「防衛省、自衛隊、防衛大臣」と言っているじゃないか。誤解を招く余地は一切ない。我々が馬鹿だからというのか。

 稲田氏 そんなことは申し上げておりません。「防衛省、自衛隊、防衛大臣」としてお願いした意図はなく、あくまでも自民党としてお願いしたいという趣旨でございます。しかし、ご指摘のようにそれが真意について誤解を招きかねないものであることから、撤回をし、おわびを申し上げているところであり、ご指摘の公選法に関してはこれはしっかりと守っていくことは当然で、そういった政治的地位、それを利用する意図は全くないということでございます。

 ――公選法に違反するかどうか、明確に答えてください。

 稲田氏 私は、公選法を順守する、そして、政治的地位を利用するという意図は全くなかったということを申し上げています。

 ――どこが違反しないんですか。

 稲田氏 誤解を招きかねないことから、撤回、またはおわびを申し上げているところでございますが、公選法に関しては、地位を利用した選挙運動を行うことの意図は全くないということでございます。

 ――地位利用であり、公選法違反じゃないですか。

 稲田氏 私は、自民党として候補者をお願いしたいということでございます。

 ――「防衛省、自衛隊として」と言っています。

 稲田氏 はい。今申し上げました通り、誤解を招きかない発言であったということについて、撤回し、おわび申し上げ、私の意図はあくまでも自民党員として、自民党の候補者を応援にうかがっているところでございます。政治的な地位を利用するという意図はないということでございます。

 ――応援演説を聞くと、「地元の皆さんと国政をつなぐのは自民党の候補者しかない」と名前を挙げている。その後、「防衛大臣として、自衛隊として」などと話していて、どう考えても呼びかけているとしか思えない。

 稲田氏 私の意図としては、あくまでも自民党として、自民党の候補を応援することでございますが、誤解を招きかねない発言であって、防衛省、自衛隊、防衛大臣の部分は撤回をしておわびをしているところでございます。

 ――地位利用をしている誤解を与えかねないということですか。

 稲田氏 地位利用という趣旨、意図は全くないわけです。

 ――大臣が前言撤回したり、軌道修正したりするのは今回が初めてではない。ご自分でこういうことを繰り返される原因がどこにあると思いますか。

 稲田氏 弁護士時代、13年前のことですが、(学校法人「森友学園」に関する)訴訟に出廷していたということを記憶違いに基づいて事実と異なる答弁を行ってしまった件について、国会においておわびをして訂正をさせていただいたところでございます。私としては国会の場でも、国会において、今後はしっかりと誠実に答弁をしてまいりたいと申し上げたと同時に、これからは一層緊張感をもって、誠実に防衛大臣の職務を全うしてまいりたい。

 ――失言を繰り返していますが、その原因をご自身でどうお考えか。反省されていないのではないか。

 稲田氏 今回も含め、やはり政治家の言葉というものは重いわけですから、しっかりと緊張感をもって職務に全うしてまいりたいと考えているところでございます。

 ――都議選の真っ最中だが、都議選への影響をどう考えますか。

 稲田氏 そういった影響が出ないように、しっかりと説明をさせていただいているところでございます。その上で、やはりしっかりと緊張感をもって一つひとつの職務に邁進(まいしん)してくということを痛感しています。

 ――2012年に当時の沖縄防衛局長が、沖縄県宜野湾市長選で職員に投票を呼びかけ、訓戒の処分を受けている。今回の大臣の発言は、これよりはるかに重い発言だと思うが、沖縄防衛局長との処分のバランスを考えて、自身はどうされるつもりか。

 稲田氏 沖縄防衛局長に関しては、宜野湾市長選にかかる講話を行ったものですけれども、その内容は特定の立候補予定者を支持するようなものは確認されず、職員に対して、選挙への投票行動を促すものであり、自衛隊による政治的行為を制限した、自衛隊法61条に抵触したものではないと承知をしている。他方、防衛局長の一連の行為は、自衛隊法第61条に規定している政治的行為の制限には違反しないものの、個人情報の管理などについて指揮監督が不十分であったことなどから、内規に基づく訓戒の処分を実施したと承知しており、政治的行為の制限とは関連していないというふうに認識している。

 ――今回、大臣は処分を受けるつもりもないし、辞めるつもりもない?

 稲田氏 公職選挙法でございますけれども、この点については順守することは政治家として当然です。その上で、地位を利用した選挙活動を行うことは全く企図しておらず、そういった点についての誤解を招きかねない発言について撤回をしたところでございます。

 ――(応援演説で)「防衛省、自衛隊と連携がある」と言ったのは「感謝」なのか。「防衛大臣、防衛省、自衛隊として応援させてほしい」ということではなかったか。

 稲田氏 今申し上げたとおり、候補者自身が、防衛問題、また安全保障政策について、関心をお持ちですし、地域の防災訓練にも参加をされていることから、そういった紹介をしたと言うことでございます。

 ――「誤解を招きかねない」とは「解釈を誤る」ということだが、我々受け取った側が間違ったのであって、大臣は間違っていなかったということなのか、発言そのものが誤っていたから撤回したと言うことか。

 稲田氏 発言の中の「防衛省、自衛隊、防衛大臣」という点については、誤解を招きかねない発言ですので、訂正をする、撤回をするということであります。

 ――7月に日米2プラス2が予定されているが、次の内閣改造では、自民党内からも「(稲田氏の)交代は必至ではないか」という声も出ている。こうした状況下で、マティス米国防長官と信頼関係を築き、実のある会談ができるか。

 稲田氏 マティス長官とは、トランプ政権発足直後、またシャングリラ・ダイアローグでも会談をしている。しっかりと米国のアジア太平洋地域、そこにおける秩序の維持、秩序の確立ということをしっかりと世界に向けて発信しなければならないという意味において、私は2プラス2は大変意味があるなと承知をしています。

 ――質問の趣旨は、今置かれている状況であっても、マティス長官と信頼関係を築き、安保環境において課題を話し合うことはできるか、ということだ。

 稲田氏 今までもマティス長官との間では非常に忌憚(きたん)なく、深い会談をできている。従いまして、2プラス2について、しっかりとまたその点を確認できると考えています。

 ――このまま防衛大臣を続けたいと考えるか。

 稲田氏 人事に関しては総理が決めることでございますので、何かを申し上げる立場にはありません。私としては、しっかり緊張感を持って、我が国を取りまく厳しい安全保障下において、防衛相としての職責を果たしていきたい。

 ――国会で説明する必要があるのではないか。

 稲田氏 国会に関し、国会の判断になると承知をいたしております。私としては、演説後の会見、今日の会見において、しっかりと改めてどの部分を撤回するか、どんな趣旨か、そしておわびを申し上げた。

 ――演説会場には、高齢者を中心に80人から100人が体育館に集まっていた。大臣の演説を聞いて投票行動された可能性がある。「個々の投票活動については申し上げられない」と言うことだが、実際に聞かれた方々に対して何か一言メッセージを発した方が良いと思うが、いかがか。

 稲田氏 国民の皆さん、有権者の皆さん、会場におられて私の演説を聴いてくださった方々、防衛大臣として、応援演説のなかで、防衛省・自衛隊として地元の皆さんに感謝する、ということも申し上げたところでございますけれども、誤解を招きかねない部分については、しっかりと撤回をしておわびを申し上げたい。

 ――(練馬)駐屯地が近いということで、防衛大臣として、厳しい(情勢)と言われる都議選の応援要請があったのか。

 稲田氏 そういうことではない。

 ――駐屯地と全く接していないような関連の薄い地域でも、同じような防衛省、自衛隊の話をするつもりはあったか。

 稲田氏 どこの駐屯地に限らず、日本国中、自衛隊に対して今は良い感情を持って頂いている。そういった点についても、感謝申し上げようというふうには思っていました。

 ――大臣は野党時代は、かなり政権幹部の出処進退に厳しく当たられ、ときの総理大臣に内閣総辞職を迫った。今日の自身の釈明と照らし合わせ、整合性がつく政治姿勢といえるか。

 稲田氏 ご指摘の通り、野党時代、大変厳しい質問を予算委員会でしたことも事実でございます。そういう意味において私自身も、しっかりと緊張感を持って、この厳しい安全保障環境のもとで、防衛大臣としての職責を果たしていかなければならないということは痛感をしている。

 ――相手に対しては責任を迫り、ご自身はほとんど説明がつかないような状況で続投を求めることは、整合性はつくのか。

 稲田氏 そういった批判は真摯(しんし)に受け止めますけれども、緊張感を持ってしっかりと職務を邁進(まいしん)していきたい。

 ――発言撤回は当日の深夜だった。菅義偉官房長官の会見などによると、菅長官に言われた後に急きょぶらさがり会見を設定している。菅長官に言われるまで、ご本人としては撤回する必要がないと判断していたということか。

 稲田氏 いま……、演説1回目の演説……、また2回目の演説から、質問をされておりました。なので、その後に、長官に対して、練馬駐屯地に近い板橋区で、自衛隊を受け入れている地元の皆さん方には感謝申し上げますという趣旨を入れて演説を行いましたけれど、演説後に記者から発言の真意を問われ、誤解を招きかねない発言であったということはご報告いたしました。それに対し、長官からは「そういうことなのであれば、できるだけ早く会見を開いて、演説における私の思いをしっかり説明をして、そのうえで、誤解を招くような発言については撤回をし、謝罪をした方がいい」というような指示というか、そういうお話があったところでございます。そういったこともあり、私も自分の発言なども確認をしたうえで、深夜の会見に臨んだということです。

 ――そうなると、菅官房長官に言われなければ、発言は撤回しなかったのか。

 稲田氏 そういうことではありません。私自身としてもしっかりとチェックしたうえで、撤回ということは考えておりました。

 ――会見を聞いていて、やはりどの部分が「感謝」、どの部分が「誤解を招きかねない」のか、私は理解ができない。

 稲田氏 私としては、当時の自分の発言について、どの部分を撤回するか、また真意はどうであったかということは説明を申し上げたというふうに思っております。

 ――「誤解を招きかねない」と言うが、「誤解を招いた」ではなく、なぜ「招きかねない」と言うのか。受け取り側の問題のように聞こえるが。

 稲田氏 あの、表現をどうとられるか。別に受け取り方の問題ではなく、あくまでも私の発言の問題としてお話ししているところでございます。

 ――玉沢徳一郎防衛庁長官の時から、防衛庁長官、防衛大臣を取材してきているが、自衛隊の政治的中立性についてこれほど危険な発言をした大臣は初めてだ。それでもあなたは大臣の地位にしがみつき、辞めるつもりはないということなのか。

 稲田氏 はい、先ほど申し上げましたように、私のなかで、地位を利用した選挙運動を行うことは、意図はしておりません。また、防衛大臣として、隊員の政治的中立性確保すべきことも言うまでもないところでございます。また、誤解を招きかねない発言があったことは撤回をいたしたところでございます。「それでもあなたは防衛大臣をやるのですか」というご質問については、やはりしっかりと緊張感をもって、誠実に職務を遂行してまいりたいと考えています。

 ――今回の件、総理からの指示はあったのか。

 稲田氏 総理から何か、あの指示があったということは……、あの……、官房長官を通じてですね、深夜にお話をされた。そして、「官房長官と同じである」というような指示があり、また総理からもそういった趣旨のお話がありました。

 ――総理と直接話したのか。

 稲田氏 当日、お話はいたしました。

 ――電話で。

 稲田氏 はい。

 ――いま防衛省・自衛隊は(南スーダンPKO部隊の)日報問題を抱えている。特別防衛監察の最中だが、大臣は常々、防衛省・自衛隊に改めるべき隠蔽(いんぺい)体質があればそこは改めたい、と繰り返してきた。ご自身の危機管理能力が問われているなかで、しっかり取り組めるのか。

 稲田氏 この点については、特別防衛監察において、客観的事実を徹底的に、いま調査をしているところでございます。まずはしっかりと、事実関係を確定をしたうえで、その改善策についてはしっかりと取り組みたいと思っております。

 ――ほかはよろしいでしょうか。

 稲田氏 失礼いたします。