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 香港は7月1日、英国から中国に返還されて20年を迎える。就任後、初めて香港を訪れている習近平(シーチンピン)国家主席は30日、駐留する中国軍を視察するなど記念行事に相次いで参加。香港返還と「一国二制度」の成功をアピールし、香港の安定維持を図る姿勢を示した。

 習氏は30日、香港の政財界の要人とも懇談し、(中国本土と異なる経済・政治の仕組みを香港で認める)一国二制度について「世界が認める成功を達成した」と強調した。29日には2014年のデモ「雨傘運動」以降、民主化を認めぬ中国政府に失望した若者の間で台頭する香港独立の動きにも言及。香港政府が「有効な打撃を与えた」として対応をたたえるなど、香港の動揺を認めないという強い姿勢を示している。

 一方で、国際社会の懸念には強く反応した。英国のジョンソン外相が1984年の「中英共同宣言」で合意した司法の独立や言論の自由に触れて「香港成功のカギ」と指摘したことを受け、中国外務省の陸慷報道局長は30日の会見で「宣言は歴史文書で、現実的な意義は何もない」と言い切り「中国や香港の政府を何ら拘束するものではなく、英国は返還後の香港に何の権利もない」と非難した。ロイター通信によると、英国外務省報道官は同日、「宣言には法的拘束力がある。英国は履行状況を厳密にチェックする」と反論した。

 習氏は30日、香港北部にある中国軍の駐屯地で閲兵式にも臨んだ。3千人の兵士と来賓4千人が埋めた会場には「香港の長期的繁栄と安定を断固として維持する」などと書かれたスローガンが掲げられた。

 習氏は30日夜には、香港政府主催のパーティーに出席。壇上に上がって、数百人の出演者とともに愛国歌を合唱する場面もあった。

 1日午前は20年前に返還式典が開かれた香港会議展覧センターで、3月の行政長官選挙で当選した林鄭月娥(キャリー・ラム)氏の就任式がある。1日午後には、一国二制度が中国の圧力にさらされていると批判する民主派団体の大規模な抗議デモが予定されている。(香港=益満雄一郎、西本秀

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