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(30日、ヤクルト4―3阪神)

 もう出番はないと決め込み、ブルペンでは1球も投げていない。そんな状態で緊急登板したヤクルトの近藤一樹投手(33)が、1球でピンチを乗り切り、プロ16年目で初のセーブを手にした。

 九回2死二、三塁、打者原口の場面だった。抑えの秋吉が、カウント2―2で右肩の違和感を訴えた。「準備は1球もしていませんでした」とブルペンにいた近藤。慌ててキャッチボールを4球。それでリリーフカーに飛び乗った。マウンドでの投球練習は全ての変化球でストライクが入らず、特にカーブは大きくワンバウンドした。敵地の4万人超の観衆がわいた。

 それでも捕手の西田のサインはスライダーだった。腕を振って投げきり、原口のバットは空を切った。「今年は厳しい場面で使ってもらい、それが生かせた。中継ぎとしては追いつかれても、追い越されなければいいと。緊張はしたけど、冷めながら投げられた」。淡々と振り返った。

 東京・日大三高では、2001年夏の甲子園で優勝投手になった。近鉄、オリックスを経て、トレードで加入して2年目。今季は中継ぎで重要な場面を任され、08年の自己最多登板25試合を上回りそうだが、その裏で体のあちこちが悲鳴を上げている。この日も試合後は1時間以上、体のケアに費やし、球場を引き揚げたのは最後だった。初セーブについては「本来の抑えは秋吉。おめでたい話ではないです」と話した。(伊藤雅哉)

 ○真中監督(ヤ) 九回2死二、三塁で秋吉が右肩の違和感を訴え、緊急降板。「心配です」と、浮かない表情。登録を抹消する見込み。

 ○小川(ヤ) 約1カ月ぶりに復帰し、5年目で初の救援登板。八回をぴしゃり。「力むことなくミットめがけて投げられた」