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■「トランプ王国」熱狂のあと:1の2

 トランプが共和党候補として44年ぶりに勝った「労働者の街」がある。民主党候補の勝利が当たり前だったオハイオ州トランブル郡。世界を驚かせたトランプ勝利の象徴的な場所を再び訪ね歩いた。

 喫茶店員のデイナ・カズマーク(39)は、この郡でトランプ陣営のボランティアを引っ張った。彼女の自宅を訪ねると、20年ぶりの高校同窓会を前に、卒業アルバムを眺めていた。

 「この子もこの子も薬物の過剰摂取、こっちは事故。音信不通の子も多いけど、同級生の1割ほどは死んでしまったみたい」

 アルバムを指していたデイナの手が止まった。デイナの弟の顔写真があった。1歳違いだったが一緒に高校を卒業。弟は溶接作業員として働いていたが、鉄工所が閉鎖されて失業し、再就職先が見つからないまま、5年前にヘロイン中毒で世を去った。享年33。「仕事さえあれば薬物なんかに手を出さなかった」。デイナは今も悔しがる。

 米国は、白人の中年の死亡率が高まるという事態に直面している。死因は自殺や薬物乱用に関連するものが目立ち、医療の進歩で寿命が延びる他の先進国では見られない現象だ。オハイオ州は中でも深刻で、薬物関連の死者が続出したトランブル郡は4月、非常事態宣言まで出している。

 トランプを支持した街では、何が起きてきたのか。記者もデイナの同窓会に出席させてもらった。

■年収は打ち止め

 1997年に地元の高校を卒業した約20人がバーに集まった。卒業生は全体で120人ほどというので、6人に1人が集まった計算だ。同級生の半分近くは卒業後に仕事を求めて地元を離れたという。

 養護施設で働く看護師、キャリー・レゲット(39)が取材に応じてくれた。

 高校卒業後は州立大に進んだが、まもなく妊娠して1年後に退学。2人目の子が小学校に通い始めてから看護学校に入り、10年前に看護資格を取った。「働いても働いても年収は3万8千ドル(約420万円)で打ち止め。このままではいつ引退できるのか不安です。試算したら80歳まで働き続けないとダメと出て、イヤになりました」

 祖父は製鉄所勤務、父は看護師…

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