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 ドイツ国内に保管されていたアイヌ民族の遺骨の返還式が31日、ベルリンの日本大使館であった。海外に持ち出されたアイヌ民族の遺骨が公式に返還されるのは初めて。

 返還されたのは、ドイツの学術団体「ベルリン人類学民族学先史学協会」が保管していた頭骨1体。1879年、ドイツ人旅行者が盗掘で持ち出したもので、日本政府が引き渡しを求めていた。

 返還式には、同協会のアレクサンダー・パショス代表と加藤忠・北海道アイヌ協会理事長が出席した。加藤理事長は式典で「先住民族アイヌの人権にとって、歴史的な1ページを画す記念日となった」と語った。

 アイヌ民族の遺骨は19世紀後半以降、人類学の研究目的などで海外に持ち出された。ドイツのほか、オーストラリアや英国、米国などに保管されていることが分かっている。日本政府は引き続き、返還の可能性をさぐる方針。(ベルリン=高野弦)