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 岡山大病院は、鹿児島県で脳死と判定された50代の女性が提供した両肺の一部を使い、一つの左肺に作り直した上で、岡山県在住の50代の女性に移植したと2日、発表した。両方の肺の一部を一つの片肺に加工して移植する手術は前例がないという。

 岡山大病院臓器移植医療センターの大藤剛宏教授によると、移植を受けた女性は気管支が炎症で細くなったり酸素を取り込む組織が壊れたりして呼吸がしづらくなる慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)で、2011年に右肺の脳死臓器移植を受けていた。その後、残った左肺の症状が進行し、人工呼吸器を使いながら移植の機会を待っていた。

 今回提供された肺は下葉と呼ばれる下半分の状態が悪く、移植に適さなかったが、上半分の上葉は両側とも良好な状態だったため、右肺の上葉を左上葉の下部につなぎ、一つの左肺として作り替え、移植した。

 大藤教授は「脳死臓器提供が少ない現状で、上葉は良好なのに下葉が傷んでいるため使えないという状況が多く、残念に思っていた。今回、新たな術式で提供していただいた貴重な肺を生かすことができ、うれしく思う」と話す。大藤教授らの移植チームはこのような状況を想定し、ブタを使って経験を重ね、4年前に術式を米医学誌に発表していた。(中村通子)