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 「このままではいけない。結果がすべて。何かを変えないといけないと思った」。開幕から先発ローテーションを守り続ける大瀬良大地。2日の試合では序盤に失点を重ね、5回持たずに降板したが、ここまで負けなしの5勝。登板した13試合でチームは11勝2敗と首位独走に貢献している。

 先発再転向で結果が求められる大瀬良にとって、黒田博樹氏の言葉が背中を押す。「しっかり先発で結果を残してくれと言われたので、すごくうれしかったですし、期待を裏切らないように成績を残したい」。オフには黒田氏の紹介で、動作解析の第一人者である手塚一志氏のもとを訪ねた。「指先にかかる感じや腕のしなりについては、これまで見てきた選手の中でNo.1」と、数多くの一流アスリートをサポートしてきた手塚氏をうならせるほどだ。ただ、下半身の使い方や上半身との連動性には課題があった。ロスを取り除き、本来の能力を引き出すため、フォーム改造に踏みきった。まずは、振りかぶった際、後ろに引く左足の位置。体の真後ろではなく、斜め45度に下げることで、投球動作におけるロスを減らした。「左足を上げた時、体の前にスペースが生まれて余裕ができた」。わずかな違いが大きな変化を生み出した。

 それだけではない。踏み出す左足の幅を半歩ほど狭めた。上体が回転しやすくなっただけでなく、スムーズに体重移動できるようになった。バランス重視のフォームを手に入れた大瀬良。なにより、勇気をもって変化を受け入れたことが成長の最大の要因だろう。「周りからは真っすぐで押していけと言われてきたけど、それでは駄目。自分の自己満足ではなく、相手がどう感じるかが大事」

 己の力に過信せず、結果にこだわった末のモデルチェンジ。今季“負けない男”は勝利の味に飢えている。(広島ホームテレビ・アナウンサー)