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 イタリア政府が、経営難に陥っている国内大手銀行のモンテ・パスキ銀行に54億ユーロ(約6900億円)の公的資金を注入することが決まった。欧州連合(EU)の欧州委員会が4日、伊政府の支援計画を承認した。多額の不良債権を抱える伊銀行業界の健全化に向けて一歩前進する。ただ、伊政府は巨額の財政負担を強いられることになる。

 モンテ・パスキは昨年末、自力での資本増強に失敗し、伊政府が支援の方針を発表していた。今回の枠組みでは、伊政府は公的資金でモンテ・パスキの70%の株式を取得。同行は資本増強を受けて約260億ユーロの不良債権処理を進め、財務の健全化を目指す。

 また、公的支援の金額を抑えるため、モンテ・パスキの株主や一部の債券保有者は総額43億ユーロ分の損失を負担する。一方、個人投資家が持つ債券については、誤解を招くような銀行側の勧誘によって購入した年金生活者らが多いことに配慮し、公的支援のうち15億ユーロをあてて補償を受けられるようにした。

 伊政府は6月下旬、地方銀行2行の破綻(はたん)処理を決め、最大170億ユーロ(約2兆2千億円)の公的支援を決めたばかり。相次ぐ巨額の公的支援で財政への悪影響が懸念される。(ブリュッセル=寺西和男)

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