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 「おごれる人も久しからず、只(ただ)春の夜(よ)の夢のごとし」。思い上がった権力は必ず滅びると、「平家物語」は伝えている。東京都議選で大敗を喫した自民党。「安倍1強」が続き、おごりや慢心があったのではないか。底流には何があるのか。

■歴史学者・本郷和人さん

 今回の都議選での自民党の惨敗を見て、「おごれる平氏は久しからず」ということで平家政権の崩壊を思い起こす人もいるかもしれませんが、平家の場合、おごって武士であることを忘れて貴族化して、地方のことを見向きもしなくなった結果、地方の反乱を呼んで滅んだのであって、今回のように首都からの反乱とは異なります。中世政治を研究する者としては、むしろ鎌倉幕府の崩壊の過程に近いのではないかと思いました。

 鎌倉幕府には大きく二つの潮流がありました。一つは幕府と主従関係を結んだ御家人の利益を最優先する立場の人たちです。御家人は全国に3千人ほどしかいませんから、人口1千万人の日本の中では超エリート層です。彼らをまとめておけば幕府は安泰と考えたわけです。もう一つの潮流は御家人以外の武士や農民、商人も含めた日本全体に責任を持つべきだと考える人たちです。

 この二つの潮流の路線対立から、1285年に霜月騒動という幕府内の内乱が起きました。その結果、第2の潮流は滅ぼされ、幕府はいわば「御家人ファースト」の政権になってしまいました。幕府は御家人の利益となる政策を次々と採り始めます。その最たるものが「永仁の徳政令」です。これは御家人が売った土地は無償で取り返すことができるという命令です。御家人は喜びますが、御家人から土地を買った者からすればただで土地を取り上げられるわけですから、不満が高まります。

 このあたりは友人や思想が近い人を優遇した疑いが持たれた加計(かけ)学園、森友学園の問題をほうふつとさせます。

 一方、「御家人ファースト」を…

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