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 マウスの体を透明化する技術を使って、がんが転移する様子を細胞レベルで観察することに東京大の上田泰己(ひろき)教授(システムズ薬理学)と宮園浩平教授(分子病理学)らが成功した。6日、米科学誌セルリポーツ(電子版)で発表した。

 上田さんらは2014年、脂質や血液の色素を取り除く試薬を使い、マウスの全身を透明化することに成功。今回は試薬を改良し透明度を上げた。赤く光るように操作した腎がんの細胞をマウスの腎臓に移植して透明化したところ、肺や肝臓などに転移した様子を特殊な顕微鏡で観察できた。乳がんや肺がん、皮膚がんの一種のメラノーマなどでも同様に確認できた。

 この技術を使えば、抗がん剤治療の効果を確認したり、がんが転移する仕組みを解明したりすることにつながるという。上田さんは「がんだけでなく、再生医療や自己免疫疾患など、未発達の治療法や仕組みが未解明の病気にも貢献が期待できる」と話している。(南宏美)