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 神戸の産婦人科医院で2015年、麻酔でお産の痛みを和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」をした女性が麻酔の直後に容体が急変し、今年5月に死亡した事故で、女性の夫は5日までに、無痛分娩に関わる事故の調査、公表や医療体制の改善を求める要望書を、厚生労働相や関係する学会に送った。

 要望書では、担当した医師が1人だったにもかかわらず麻酔後に女性のそばを離れたために異変の察知や対応が遅れたと指摘。「産科医が外来の片手間に無痛分娩を行うようなことが絶対ないようにして欲しい」と要望している。

 代理人の弁護士や遺族らによると、女性は15年9月、神戸市西区の「おかざきマタニティクリニック」で、背中に細い管を入れて麻酔薬を注入する「硬膜外麻酔」という方法で無痛分娩に臨んだが、麻酔後に容体が急変。担当医師は1人で、麻酔後に外来対応のため席を外していた。女性は運ばれた病院で意識が戻らないまま今年5月に35歳で亡くなった。帝王切開で生まれた長男(1)も、重い脳性まひという。

 要望書では、第1子の誕生を楽しみにしていたことや、女性や回復が望めない長男の元を「奇跡が起きるかもしれない」と願いながら見舞い続けたことなどもつづられている。そして「私が今できることは無痛分娩のリスクを伝え、二度と同じような事故が起こらないようにお願いすることだけ」と結んでいる。(石塚翔子)