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 中国のIT大手が相次いで世間の批判を浴びている。検索大手の百度(バイドゥ)はトップ自ら北京の公道で自動運転を試したが、違法行為の疑いがあるとして、警察当局が調査すると表明した。ゲーム大手の騰訊(テンセント)は人気ゲームに依存する子供が出ているとの批判から、年齢制限の導入に追い込まれた。

 百度は5日、創業者の李彦宏会長が自社の自動運転技術を使った車に乗り、北京市内の公道を走った。助手席に座った李氏は「車が多く走っている。今、自動運転状態だ」などと状況を説明。この様子は開発者向けイベント会場に中継された。

 しかしネットに流れた映像で、車線を隔てる実線をまたいで走ったり、本来は該当地区を走れないナンバーだったりした点が非難を浴びた。中国の交通法に自動運転車の規定はなく、「法律違反に等しい」(銭江晩報)との声もある。

 北京の交通警察は6日、「非常に重く見ており、積極的に調査をしている」と声明を出した。「自動運転は支持するが、法に従い、安全に、科学的に進めなければならない」ともクギを刺した。百度は今回、試験走行の許可を取ったかは明らかにしていない。

 百度は自社の自動運転技術を普及させる「アポロ計画」を掲げている。地図サービス「百度地図」でミリ単位の地図データを把握しており、90%以上の確率で交通標識や信号を認識できる技術を培ってきた。2020年までに高速道路と一般の道路で全自動で運転できる技術の確立を目指している。

 ゲーム大手の騰訊は4日、スマートフォンゲーム「王者栄耀」に12歳以下がログインできる時間を1日1時間、12歳以上の未成年は2時間に制限した。「子どもが現実との区別がつかなくなる」「アイテムを買うために親の金を盗む」などの指摘が相次いだためだ。

 現地報道によると、ゲームは2015年11月に配信が始まり、登録利用者は2億人、1日あたりの利用者は多い日に8千万人を超えた大人気ゲームで、19歳以下の層が利用者の4分の1を占めるという。

 「百度」と「騰訊」はネット通販大手の「阿里巴巴(アリババ)」と共に、英語表記の頭文字をとって「BAT」と呼ばれ、中国のIT業界をリードしている。規制が少ない中国では、IT企業は新規ビジネスをまずやってみて反応を見て軌道修正するケースが多い。だが、大きな責任を伴う大手が社会的影響を軽視してきたことに、強い批判が出ている。(福田直之)

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