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 第99回全国高校野球選手権山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)が8日、甲府市の山日YBS球場で開幕した。公立の実力校同士の開幕戦は1点を争う展開になり、甲府城西が日川を破った。第2試合は身延が序盤の得点を生かし、甲府西を突き放した。9日は山日YBS球場で1、2回戦3試合が予定されている。

■「主将として」責任感貫く 日川・土屋文人捕手

 「落ち着いて。楽にやろう」。日川の正捕手で主将の土屋文人(3年)はベンチから打席の田辺賢斗(2年)に声をかけた。1点を追う九回裏2死。「何が何でも塁に出る」という思いで田辺が死球で出塁。「よっしゃー」。土屋は右手の拳を握りしめた。

 「日川の主将になる」と決めて入学した。中2のとき、夏の甲子園に出場した日川の試合をテレビで見た。当時の主将が声をかけてチームをまとめる姿にあこがれた。「主将としてあの舞台に立つ」。それが目標になった。昨夏の準々決勝で敗退した翌日、自ら立候補した。

 四回裏、先頭打者として打席に立った。2球目。打撃で力んだ瞬間に両足がつってしまった。仲間に両脇を抱えられてベンチ裏へ。治療して五回表からグラウンドに戻った。

 しかし五回表、甲府城西の走者の本塁生還を食い止めた時、捕球で伸ばした右足が再びけいれんを起こした。「このままではチームに迷惑をかける」。監督に交代を申し出て2年生の田辺に本塁の守りを託した。

 ベンチから見守った最終回。2死一塁で、次打者の打球は内野安打に。しかし二塁から飛び出した田辺がタッチアウト。試合は終わった。

 「主将として甲子園へ」の夢はかなわなかった。しかし土屋は試合後、涙で真っ赤な目で「自分の途中交代よりもチームの負けが悔しい」と話し、主将としての責任感を見せた。「田辺たち2年生に来年こそ頑張ってもらいたい」(野口憲太)

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