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 アトピー性皮膚炎の新たな治療法が定着しつつある。ステロイド剤など抗炎症薬で湿疹を抑えた後も薬を使い続け、「見えない炎症」を抑えるもので、学会が昨年、強く推奨した。抗炎症薬で症状が改善しない患者向けの新薬の開発も進み、期待が集まっている。

 乳児期からアトピー性皮膚炎に悩まされていた東京都葛飾区の莉央(りお)ちゃん(4)は2014年12月、全身の湿疹がひどくなり、かかりつけ医の紹介で同区の東京慈恵会医科大葛飾医療センターを受診した。

 アトピーの治療では、抗炎症薬で湿疹をおさえる。湿疹が治ると薬を塗るのをやめ、再発した時に再び使うのが一般的だった。

 子どもの薄い皮膚にステロイドを塗ることに抵抗があるという母親(33)に同センター小児科の堀向健太・助教は「今しっかり塗ってスキンケアを丁寧に続ければ、塗る量を減らしていける」と説明。納得した母は1日3回、入浴後の娘の全身にステロイドと保湿剤を混ぜたクリームを塗った。母は「最初は1回で2時間ぐらいかかったが必要だと認識できたので続けられた」と語る。

 1カ月後には見た目の湿疹はほぼ治まり、皮膚はきれいに。だが症状が出ていない時にも薬を使う「プロアクティブ療法」を実践し、1日、2日おきと間隔を空けて薬を使い続けた。見た目はきれいでも皮膚の下に炎症が残っていると、再び湿疹が出やすいために薬を使い続けるものだ。

 堀向さんは「炭火をおこした後、くすぶる炭に風を送れば再び燃え上がるようなイメージ」と説明する。「見えない炎症」を抑え、湿疹の再発を予防するもので、堀向さんは「薬の回数を減らし、保湿剤だけでのケアに軟着陸させるための治療法」と説明する。莉央ちゃんは一昨年末には夜だけ週2回、昨春には週1回と塗る回数が減った。今は見た目でアトピーとわからないほどきれいな状態だ。母は「このまま保湿剤のみのスキンケアになれば」と話している。

 日本皮膚科学会は昨年、7年ぶ…

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