保育士の3人に1人が精神的ケアを必要としているものの6割の施設でサポート体制が整っていないことが、厚生労働省研究班の調査でわかった。保育士の労働環境をめぐっては、長時間にわたる過重労働で離職者も多く、待機児童問題の解消につながっていない。研究班は「精神的な支援は保育士の離職者を減らす重要な課題。早急に体制整備の必要がある」と指摘している。

 調査は、昨年2月から今年3月にかけて全国の保育施設約1万カ所に調査票を郵送し、2672施設、保育士3457人から回答を得た。メンタルヘルスケアが「必要だと感じる」「実際に治療を受けた」と答えた保育士が昨年度何人いたかを施設に尋ねた。719施設(27%)で、少なくとも1026人に上った。

 保育士に尋ねると、この1年間に「実際にカウンセリングを受けた・服薬している」は90人(3%)で、「メンタルヘルスケアやカウンセリングを受けたいと感じた」232人(7%)に上った。また、「負担に感じたが相談できない・相談していない」も415人(12%)いた。

 一方、「サポート体制がない」と答えた施設は1540施設(58%)に上った。認可保育所では、公設公営の77%はサポート体制があると回答したが、公設民営は29%、民設民営(社会福祉法人)は25%にとどまった。保育士に聞いたところ、1509人(44%)がサポート体制は「ない」と答え、「わからない」も1001人(29%)いた。

 労働安全衛生法の改正で2015年12月から、年1回のストレスチェックが50人以上が働く事業所に義務づけられたが、50人未満は努力義務となっている。厚労省によると、20人前後の保育所が多いという。

 研究班の東京慈恵会医科大の吉澤穣治講師(小児外科)は「困ったときはここに相談をという窓口を地域に1カ所設けるなど、小規模な保育施設の保育士もメンタルヘルスケアが受けられるような体制の整備が必要だ」と話している。(寺崎省子)