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 第99回全国高校野球選手権山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)の2回戦5試合が11日、甲府市の山日YBS球場と富士吉田市の北麓(ほくろく)球場であり、シード校の日本航空と甲府工はともにコールドで勝ち進んだ。甲府城西は今大会初の延長戦を制した。12日は山日YBS球場で3試合と北麓球場で2試合の2回戦計5試合が予定されている。

■父に捧げる「背番号1」 山梨・中沢玲投手

 三回裏、甲府工は3点本塁打を含む9安打の猛攻。13点を挙げて一挙に突き放した。それでも山梨のエース中沢玲投手(3年)は気丈だった。「自信を持って腕を振って投げ切れました」。「どんなときも強い心を持て」と教えたのは父・健さんだった。

 小学2年の時、父とキャッチボールを始めて以来、親子で野球漬けの日々だった。高校1年の時からマウンドにも立った。しかし昨年11月、健さんが事故で他界。ショックで初めて野球をやりたいと思わなくなった。部活にも出なくなった。

 「中沢が投げないと梨高野球部じゃない」。1週間ほどして3年生全員が家に来て、言葉をかけた。「ここで辞めたらお父さんは喜ばない」と奮起した。練習を重ね、大会直前にエースの座を取り戻した。父にどうしても見せたかった「背番号1」。ユニホームを持って真っ先に墓前に報告をした。

 この日の朝も「投げてくるね」と父の仏壇に声をかけ家を出た。マウンドに立つと、空から見てくれている気がした。苦しい場面では仲間が駆け寄り、励ましてくれた。観客席では母の久美子さん(41)と妹、弟が見守った。

 「自分は本当に幸せだと思う」。試合終了後、はっきりと語った。「お父さんのおかげで楽しい野球生活が送れたよ」(佐藤栞)

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