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 熱中症発生のピークはまさに今。梅雨明け前後に晴れが続いたときだ。身の回りに熱中症かもしれない人がいたら、どう対処したらよいのか。応急処置のポイントは、意識があるかどうか。帝京大病院救命救急センター長の三宅康史さんは、熱中症の応急処置は「FIRE」がキーワードだという。

 FIREとは、水分補給(Fluid)、冷却(Icing)、安静(Rest)、119番通報(Emergency)の頭文字をとったもの。三宅さんは「声をかけて、自力で水が飲めるかどうかをみて、意識の有無を確認してほしい」という。

 返事がなかったり、意識がはっきりしていなかったりしたら、すぐに救急車を呼び医療機関で治療を受ける(E)。意識があれば、涼しい場所で冷たいものを飲む(F)などして体を冷やす(I)、症状がおさまるまで安静にする(R)。体を冷やすときは、首、わきの下、足の付け根の太い血管に保冷剤など冷たいものを当てる。急変の可能性もあるので、30分はその場で見守るようにする。大量に汗をかいている場合は、水よりも経口補水液など塩分を含んだ飲み物を飲んだ方がいい。

 特に注意すべきは、祭りやスポーツなど夏に開かれるイベント。昨年7月、宮崎市で開かれた食べ物イベントでは、河川敷に1万人近い人が集まり、炎天下で行列に並ぶなどした48人が熱中症の症状を訴え、6人が救急搬送された。

 大勢の人が狭い所などに集まる「マスギャザリング」と呼ばれる状態では、蒸発した汗や風通しの悪さから熱中症のリスクが高まる。入場や物品販売などのために行列ができ、炎天下で長時間並ばざるを得ない事態も生じる。さらにイベントに集中しすぎて脱水症状に気づきにくいこともある。参加者はどのようなことに気をつけたらいいのか。

 国立環境研究所の小野雅司・客員研究員は、体調管理の重要性を指摘する。「睡眠不足や二日酔いの状態で無理して参加するのはやめた方がいい」とする。特にお酒は、尿の量が増え体の中の水分が減り脱水になりやすくなるので、イベント会場でも飲み過ぎは禁物だ。

 定期的に水分を補給することが大事だが、イベントによっては、飲み物の持ち込みが制限されることもある。事前に自動販売機やトイレの場所を確認して、混雑する前に利用するようにしたり、行列時も直射日光を避けられるように帽子や日傘も活用したりするといいという。

<アピタル:マンスリー特集・熱中症>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/monthly/(北林晃治)

北林晃治

北林晃治(きたばやし・こうじ) 朝日新聞記者

2002年朝日新聞社入社、北海道報道部、さいたま総局をへて、東京本社生活部、科学医療部。厚生労働省など社会保障、医療分野を取材。東日本大震災後、社会部をへて再び科学医療部へ。2016年9月からアピタル編集部員