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 1時間に50ミリ以上の雨が降る「短時間強雨」の年間発生回数について、1976年からの10年と直近10年の気象庁の観測結果を比べたところ、全国平均で約34%増えていることが分かった。九州北部豪雨は甚大な被害を招いたが、豪雨や土砂による災害は今後も増える可能性がある。

 毎時50ミリ以上の雨は「滝のような雨」とされ、土砂災害の危険が高まり、地域によっては避難準備が必要とされる目安。都市部の排水機能の多くはこの雨量を基準に設計され、50ミリを超えると地下街などに雨水が流れ込む恐れが出てくる。

 気象庁の地域気象観測システム「アメダス」(1千地点あたりに換算)のデータによると、毎時50ミリ以上の雨の年間発生回数は、観測が始まった76年から85年の10年は計1738回だったが、2007年から16年の10年は計2321回で、1・34倍に増えていた。

 また、気象庁は今後の見通しについて、20世紀末と今世紀末を比較し、分析。気温が上がれば大気中の水蒸気量が増えるため、大雨は増加するとされるが、同庁は、地球温暖化の要因とされる「温室効果ガス」の排出が今後も最悪のケースで続くと想定した場合、日本の年平均気温は4・5度上昇し、短時間強雨の年間発生回数が2倍以上になると予測した。東日本の太平洋側で気温が4・3度上昇するため、現在の年平均気温が15・4度の東京は鹿児島県の屋久島(19・4度)と同程度になるという。

 首都大学東京の藤部文昭特任教授(気候学)は1979年から2013年のアメダスのデータを分析。平均気温が1度上がると短時間強雨は4~13%程度、平均海面水温が1度上がると7~19%程度増えていたという。「地球温暖化が進めば激しい雨が増えるという傾向に矛盾はない。今後も短時間強雨はさらに増える可能性がある」と話している。(山本孝興)

■カメラ・雨量計 地域で備え

 毎年のように、列島は台風や大雨に襲われてきた。九州北部豪雨では河川の氾濫(はんらん)、土砂や流木で多くの命が奪われ、家屋は激しく損壊した。豪雨はこれからも避けられないが、減災への取り組みをどう進めればいいのだろうか。

 被害が集中した福岡県朝倉市。…

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