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 民進党の蓮舫代表が戸籍情報を開示した重国籍問題。日本政府は重国籍を認めていないが、国際化の進展で珍しいことではなくなった。何が問題で、手続きはどうなっているのか。

 父母のどちらかが外国人である場合や、米国など出生地によって、ほぼ自動的に外国籍が与えられるケースがある。法務省は正確な人数を把握していないが、改正国籍法が施行された1985~2014年度に生まれた日本国籍のある人のうち、二重国籍を持つ可能性がある人は約83万人いたとされる。

 日本の国籍法は、22歳までにいずれかの国籍を選択するよう求める。解消には、①外国籍を離脱する②日本国籍選択と外国籍放棄の宣言をする――ことが必要だ。蓮舫氏は49歳だった昨年、日本国籍の選択を宣言。金田勝年法相は22歳以降について「国籍法上の義務に違反していた」と述べた。

 この法相見解については異論もある。中央大法科大学院の奥田安弘教授(国際私法)は「外国籍を持っていることに自分で気づくのが難しいことも多い。犯罪者のように言うのは間違いだ。大臣の発言で不安に思う人もいる」と指摘する。

 国籍法は法相が二重国籍の解消について「催告できる」とし、催告されて1カ月以内に日本国籍を選択しなければ日本国籍を失うと定めているが、法相が過去に催告した例はない。

 国会議員については、公職選挙法が日本国籍であることを求めているが、外国籍を持つ人を排除する規定はない。国会議員から指名される首相についても国籍に関する規定はないが、外交官は外国籍がある人を認めていない。このため、内閣のトップとして外交交渉にあたり、自衛隊の最高指揮官でもある首相に外国籍があることは問題との意見もある。名城大の近藤敦教授(憲法)は「首相や大臣にふさわしいかどうかは、有権者が投票する時に考える問題だ」と指摘する。

 国会では、多様性社会の実現を目指した旧民主党が2009年の衆院選時、政策集で「国籍選択制度の見直し」との項目を設け、「重国籍容認へ向け国籍選択制度を見直します」との方針を打ち出したものの、12年までの政権時代に議論らしい議論はなかった。一方、蓮舫氏の問題が浮上した昨年、日本維新の会が国会議員の二重国籍を禁止する公選法改正案を国会に提出したが、審議はされていない。

 蓮舫氏の場合は父と同じ台湾籍を持っていた。日本政府は日中国交正常化で台湾と断交し、「二つの中国」を認めていない。このため法務省は、日本の国籍事務では台湾を「中国」として扱っている。

 外国籍の離脱には外国発行の「国籍喪失許可証書」が必要で、蓮舫氏は台湾発行の許可証を添付して区役所に届けたが受理されず、日本国籍の選択を宣言したと説明している。(中崎太郎)