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 強い毒を持つ外来種のヒアリが相次いで確認されたことを受け、アリ用殺虫剤の売り上げが伸びている。メーカーはヒアリへの効果をアピールし、ホームセンターには特設の売り場もつくられた。ただ、殺虫剤を多く使えば在来種にも影響するため、環境省は「むやみに殺虫剤を使わず、疑わしい場合は自治体に連絡を」と呼びかけている。

 アリ用殺虫剤をつくるアース製薬とフマキラーは先週、自社製品がヒアリにも効果があるとの海外での試験結果を発表した。最近のヒアリを巡る報道などで問い合わせが増えている。

 アリ用殺虫剤は、室内に入り込むアリ駆除の目的で使われ、直接散布するスプレー剤や巣ごと退治する毒餌剤(どくじざい)などがある。アース製薬の7月の出荷量は前年同月の2倍のペースで、増産を進めている。フマキラーも販売が増えている。業績への期待から、2社の株価は上昇傾向だ。

 今月上旬にヒアリが確認された東京港・大井埠頭(ふとう)の近くのホームセンター「DCMホーマック大井競馬場前店」では、入り口正面にアリ用殺虫剤の売り場を設置した。通常は春先によく売れるが、今月10~16日の1週間は前年の10倍以上の売れ行きという。

 ただ、ヒアリがこれまで確認されたのは港や貨物コンテナの周辺で、市街地ではない。殺虫剤はヒアリの敵になる在来種のアリも殺すため、ヒアリの侵入を許してしまうとの指摘もある。環境省の関東地方環境事務所は、「在来種を守るためにも、むやみな殺虫剤の使用は控えた方がいい」(担当者)として、ヒアリの疑いがあれば自治体などに連絡するよう求めている。(村井七緒子)