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 東京都新宿区の都営戸山ハイツアパート。中華料理屋や布団屋が軒を連ねる棟の1階に「暮らしの保健室」がある。毎週月曜と火曜の朝、近くに住む男性(80)が小一時間かけ、保健室の前の道路や玄関のたたきを掃除する。1年半ほど前、保健室の看護師、杉本弥生(すぎもとやよい)さん(62)に頼まれた仕事だ。掃き清め、きっちり拭き上げる。

 妻と離婚後、戸山ハイツに引っ越してきて一人で暮らしている。認知症と診断されたのは2年半前のことだった。

 1996年、風邪で区内の岡崎医院を受診した。岡崎正巳(おかざきまさみ)院長(62)の勧めで区の健診を受けると、C型肝炎ウイルスに感染していた。岡崎さんが「総合病院で診てもらおう」と何度勧めても男性は動かない。11年後の2007年、ようやく区内の総合病院で診てもらったが「費用が高い」と継続的な治療を拒んでいた。そして11年、肝臓がんが見つかった。

 総合病院の消化器内科で、ラジ…

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