[PR]

 第99回全国高校野球選手権山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)は15日、甲府市の山日YBS球場で3回戦3試合があり、3校が8強に名乗りを上げた。甲府工は先取点を奪われながらも甲府城西に逆転勝ちし、市川は終盤の猛攻で日本航空に迫ったが一歩及ばなかった。山梨学院は日大明誠に競り勝った。16日は山日YBS球場で3回戦3試合が予定されている。

チームの願い、応えた1発 甲府城西・加賀美爽選手

 ダイヤモンドを1周して本塁を踏む顔は笑みでいっぱいだった。5点差の九回裏1死一塁、甲府城西の左打者、加賀美爽(そう)選手(3年)が放った打球は右翼観客席に吸い込まれた。「あきらめない」。その一心で恐れず振った。

 昨秋は背番号1。投手だった。秋の県大会、富士学苑戦で無死満塁から登板した。しかし、勢いを止められず6失点。試合はコールド負けとなった。「自分が投げたのに情けない」。結果が出ない上手投げから横手投げに変えた。

 それが裏目に出た。冬に左ひじが痛むようになり、投げられなくなった。夏の大会には間に合わない。「お前の打力でチームを引っ張ってくれ」。投手にこだわる気持ちもあったが、仲間たちの言葉に背中を押され、野手に転向した。

 それからは打力を鍛えた。練習では約1・5キロの重い木製バットで振り込み、仲間に助言を求めた。「軸足をぶれないように意識して」。もともと自信があった右方向へ「引っ張る」打撃にさらに磨きをかけた。

 この日の本塁打も練習してきた引っ張る打撃。「チームのみんなが打たせてくれた1発でした」と振り返った。試合はあと一歩届かなかった。最後の夏は終わったが、「どこのチームよりも練習してきた自信がある。悔いはないです」と晴れやかな顔だった。(野口憲太)

こんなニュースも