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 2月、東京の複数の小学校で1千人以上の児童や教職員がノロウイルス感染症を発症しました。原因は、給食に出された「きざみのり」でした。

 ノロウイルスは感染力が強く、大規模な集団発生を起こします。年間の食中毒患者の約半数をしめると言われ、1年を通して発生します。特に11月~翌年1月に流行のピークがみられます。

 発症までの時間は12~24時間で、最初はおなかがチクチク痛み、やがてこみ上げるような吐き気をもよおし、突然我慢できずに吐いてしまいます。その後、水のような下痢になります。ほぼ1~2日で治りますが、乳幼児や高齢者は、脱水にならないように水分補給が重要です。一方、軽い風邪症状だけの場合や、感染しても発症しないこともあります。

 感染ルートには以下の三つの経口感染が考えられています。①感染した食品取扱者の調理した品を食べた②患者の便や吐いた物を処理した③二枚貝(カキなど)や井戸水などを口にした。

 食品取扱者を介した事例が、近年増加傾向にあります。予防のためには手洗いが重要です。ドアノブなどからも検出されるため、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でよく拭き取ることも重要です。

 ノロウイルスは乾燥に強く、空気中に舞い上がり、口に入って感染することがあります。便や吐物は乾燥しないうちに拭き取り、おむつや雑巾などは、ポリ袋に入れて廃棄します。熱に弱いため、汚染のおそれのある二枚貝などの食品は、85度~90度で90秒以上の加熱が望まれます。

 ノロウイルスに対する薬はまだありません。検査キットはありますが、陽性にならないこともあります。しかし、乳幼児や高齢者、さらに抗がん剤や免疫抑制効果のある薬を出されている方は重症になる恐れがあるので、この検査に対して保険が適用されています。

 

<アピタル:医の手帳・食中毒>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(済生会新潟第二病院 本間照医師(消化器内科))