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 第99回全国高校野球選手権山梨大会(朝日新聞社、県高野連主催)は16日、甲府市の山日YBS球場で3回戦3試合があり、3校が8強入りした。塩山は初戦に続き延長戦の末、甲府商に今大会初となるサヨナラ勝ち。笛吹は巨摩を振り切って2010年の創部以来初となる夏の8強入りを果たした。駿台甲府は韮崎工に五回コールドで勝って駒を進めた。17日は山日YBS球場で3回戦2試合があり、8強が出そろう。

■「先輩のため」2年生奮闘 甲府商、輿石投手・中込捕手

 九回裏、甲府商のエース輿石樹利投手(2年)は失策で進塁を許して1死二、三塁のピンチ。一打出ればサヨナラ負け。「全て出し切れ。全力で来い」と中込廉捕手(2年)が鼓舞した。新藤光主将(3年)は2年生バッテリーを信頼して見守った。

 「先輩のために、しっかり締めて攻撃につなげる」。輿石投手は次打者を左飛に、続く打者は空振り三振に打ち取った。2年生バッテリーは雄たけびをあげた。

 輿石投手は1年の夏から公式戦で登板する期待の新人だった。しかし、冬に左足を疲労骨折。練習再開は3月だった。「早く治せよ」「お前が投げなきゃ勝てないぞ」。練習ができない間、新藤主将や松戸李緒投手(3年)だけでなく、控えの3年生投手にも声をかけてもらっていた。

 7月に背番号1を託された。3年生の最後の夏が自分の右腕にかかっている。「先輩たちのために」。この日も強い思いを胸に力投した。

 同点の延長十回裏、1死一、二塁と再び一打サヨナラのピンチ。新藤主将が「1人ずつ打ち取れば大丈夫」とバッテリーを落ち着かせた。しかし、直球が高めに入ったところをたたかれ、左前に運ばれた。相手走者がサヨナラ勝ちの塁を踏む姿を背に、マウンドの輿石投手は肩を落とした。

 試合後、中込捕手は「先輩が引っ張ってくれた。全員死ぬ気で一つのボールを追いかけて、3年生の分まで甲子園を目指します」と前を向いた。(野口憲太)

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