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 日本最後のキリシタン弾圧事件と言われる「浦上四番崩れ」から150年となるのを記念した行事が16日、長崎市の浦上地区で開かれた。市内のカトリック教徒ら数百人が信仰の自由をかみしめ、悲劇が繰り返されぬよう祈った。

 長崎市北部の浦上地区には多くのキリシタンが暮らし、禁教時代に江戸幕府の取り締まりを受けた。幕末の1867年7月には長崎奉行所が浦上の潜伏キリシタンの指導者らを捕らえたのを皮切りに、浦上の信徒約3400人が流罪となって拷問を受け、棄教を迫られた。浦上で4回目の大規模な摘発で、事件は「浦上四番崩れ」と呼ばれた。西洋諸国の批判で明治政府は73年に禁教を解いたが、この間に約600人が殉教したとされる。

 当時の信徒らは、流罪になってから故郷に戻るまでを「旅」と呼んだ。16日の行事で信徒らは、幕末にひそかにミサをあげた「秘密教会」の跡地に集まり、「旅」を模して列を組んだ。市内で今年最高の32・3度が観測された暑さの中、当時の信徒らに思いをはせながら、約40分かけて浦上天主堂まで歩いた。

 長崎では潜伏キリシタン関連遺産の世界遺産登録を目指している。浦上天主堂で開かれたミサでは高見三明(みつあき)・カトリック長崎大司教がこうした動きにも触れ、弾圧の時代を耐え抜いた長崎のキリシタンの歴史が世界に認められようとしているとして、信徒らに「信仰の価値を認識し、伝えていけるようになりたいものです」と語りかけた。(真野啓太)