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 いよいよ、待ちに待った夏休み。思う存分楽しみ、休暇が明けたら、スムーズに日常生活に戻りたい。そのためには、海外に行く場合は国や地域、目的に応じて予防接種を準備することが重要だ。

 予防接種は接種後、効果が出るまでに1~2週間ほどかかるうえ、種類によっては2回以上の接種が必要なものもある。

 渡航先が決まったら、まずは、厚生労働省検疫所(FORTH)のホームページ(http://www.forth.go.jp/別ウインドウで開きます)にアクセスしたい。国や地域ごとに流行している感染症や、検討すべき予防接種についての基本的な情報が掲載されている。日本渡航医学会のホームページ(http://jstah.umin.jp/別ウインドウで開きます)には、予防接種を扱うトラベルクリニックの一覧がある。ページ内にリンクがあるPDF版の冊子「海外渡航者の予防接種Q&A」は、要点がまとまっていてわかりやすい。

 日本渡航医学会の副理事長で、東京医科大学病院(東京都新宿区)の渡航者医療センターの濱田篤郎教授は、「予防接種を受けに来るのは、仕事や留学などで海外に長期間行く人が多い。観光などで行く人は、まだ感染症予防の意識は低いが、1カ月未満の滞在でも場所によっては予防接種を考えてほしい」と話す。

 濱田さんは、上下水道など衛生環境が整っていない途上国に行く人に対し、A型肝炎ワクチンの接種を勧める。A型肝炎は、生水や加熱されていない食品を通じて感染し、発熱や嘔吐(おうと)、黄疸(おうだん)などの症状が出る。国産ワクチンの場合、2~4週間の間隔で2回、接種を受ける。さらに初回接種から半年後に3回目を受けると、効果が5年以上続くので帰国後に忘れないようにしたい。

 同じく水などから感染する腸チフスは、高熱が出て腸に穴が開くこともある。一部の医療機関が輸入ワクチンを取り扱う。

 一方、破傷風は傷口から感染し、呼吸困難で死亡することもある。スポーツなどでけがをする可能性が高い人は接種した方がいい。

 ただ、ワクチンがない感染症も少なくない。2015~16年に中南米を中心に感染が広がったジカウイルス感染症(ジカ熱)もその一つ。妊婦が感染すると、小頭症の赤ちゃんが生まれる原因になる。手足のまひや筋力低下などを起こすギラン・バレー症候群との関連も指摘されている。

 感染者の血液を吸った蚊に刺されると感染するため、虫よけ対策を徹底するしかない。同じく蚊が媒介するデング熱やマラリアの予防にもつながる。ただ、ジカ熱は性行為を通じた感染例も報告されており、注意が必要だ。

 複数回の接種が必要な場合があることを考えると、遅くとも出発の1カ月前には、トラベルクリニックを受診した方がいい。ただ、濱田さんは「例えば、A型肝炎の輸入ワクチンは接種後1週間で効果が出る。その他の感染予防策の指導を受けるためにも、出発が迫っていてもあきらめずに、受診してほしい」と話している。

<アピタル:マンスリー特集・夏の健康>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/monthly/(南宏美)