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 プロ野球阪神の球団マスコット「トラッキー」が18日、命名30周年を迎えた。「三十路(みそじ)」を迎えても、試合の合間に披露する得意のバック転やダンス、選手の物まねは健在。これからも野球ファンから愛される存在で、あり続ける。

 「30歳」を記念して、17日から期間限定で、甲子園歴史館の館長に就任した。来館者には1日100枚程度の名刺を手渡すという。初日は貴重な名刺を受け取ろうと、歴史館内に長い列ができた。

 その中には「名付け親」の一人の姿もあった。京都市伏見区の岡田昇さん(48)。球団のシンボル“虎”に「幸運を運んでほしい」との思いを込め、“ラッキー”をかけた。浪人中に「フィーリングで思いついた」。800通以上が寄せられた応募の中に、「トラッキー」という名前は複数あったという。

 背番号は、初めて甲子園の大型スクリーンに登場した年を表す「1985」。その2年後の7月18日に名前がついた。ユニホームの背中にある名前「TO―LUCKY」は「幸運に向かって」という意味もある。性格は「明るい、おちゃめ、子ども好き、世話好き、いたずら好き、おっちょこちょい、頑張り屋、人なつっこい」。

 かつては、動きが過激だった時期もあった。元横浜の佐伯貴弘選手とプロレスしたり、逆に本塁打を打った阪神の選手にラリアットされたり……。2003年に「演じるスタッフが交代する」となったときは、反発するファンが署名活動をする事態に発展した。

 1度だけ、トラッキーに取材させてもらったことがある。とはいえ人間ではないため、話せないし、字も書けない。記者が質問したことに、体で表現してもらい、隣にいる職員からトラッキーの気持ちを解説してもらった。コミカルな動きが印象的だった。こうした愛嬌(あいきょう)が、子どもを中心としたファンの心をつかむのだろうと感じた。(井上翔太