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 9日に投開票された奈良市議選(定数39)で、国政政党「日本維新の会」(松井一郎代表)とは関係がないのに、自らが設立した同名の政治団体「日本維新の会」を名乗る候補者が当選した。有権者にわかりづらい行為だが、法的には問題ないという。どういうことなのか。

 「維新の松下です」

 松下幸治氏(44)は選挙戦で、国政政党・日本維新の会のイメージカラーの緑色の看板を付けた選挙カーで連呼し、市内を回った。ポスターには「日本維新の会公認」「最重点候補」と記し、左隅に小さな文字で「松下幸治代表の地域政党」。人気の高い小池百合子・東京都知事も想起させる「小池塾1期生」とも書かれていた。

 松下氏は前回2013年の市議選で政治団体「奈良維新の会」として、1万379票を得てトップ当選。当時は、橋下徹・前大阪市長が率いる日本維新の会が国政に進出した頃。奈良維新は国政政党の維新とは別団体だが、「友好協力団体」だった。しかし、今回の松下氏の団体は、維新の会本部によると「全く無関係」という。

 今回、松下氏は2472票で最下位ながら当選。一方、維新は公認4人のうち3人が当選したが、新顔の堀田恵司氏(40)が松下氏より26票少ない次点で落選した。

 維新側から「ニセモノ維新だ」と非難の声が上がり、選挙後、市選挙管理委員会に「国政の維新と間違えて投票した」などの声が寄せられた。落選した堀田氏は「市民をばかにしている。悔しいと感じた市民は多いはず」と憤る。

 松下氏は当選後、取材に対し、間違えて投票した人に「申し訳ない」としつつ、「投票する人は経歴や人柄などを見て考える。間違うことはない」と反論。一方で「ぼくは維新の支持者。わざと悪人を演じ、維新を引き立てた。ニセモノ維新が現れたとネガティブキャンペーンをしてもらい、維新の支持率を上げようと思った」と語る。その上で、松下氏は「正当な方法だ」と主張した。

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