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 宅配便最大手ヤマトホールディングス(HD)は、全社的な勤務実態調査で判明した残業代の未払い分を、18日に対象者に一斉に支給したことを明らかにした。調査を始めてから約5カ月。対象者からは、支給額や軽減されない業務量に不満の声も出ている。

 未払い分は総額約230億円。支給対象は、傘下の事業会社ヤマト運輸のセールスドライバー(SD)を中心に約5万9千人にのぼる。先行して支給した支店やシステムの不具合などが出ている一部を除き、大半は18日に支給したという。対象者との面談などでそれぞれ確定させた未払い額を、そのまま支払ったとしている。

 北日本の営業所で働く男性SDには50万円超が振り込まれた。残業時間から計算して自ら申請した未払い額がそのまま認められたという。「同僚も含めて納得する金額が支払われた。とりあえず一歩前進だと捉えている」

 一方、関西地方のSDは「実際支払われるべき金額とはほど遠い数字。相変わらず荷物量は多いままで、現場の士気は上がらない」とこぼす。勤務先の営業所では、支店長が1日あたりの昼のサービス残業の時間を一律に決め、全員分を申請した。異論を唱えたが、聞き入れられなかった。

 東北地方のSDは「どれだけ申請が認められたのか説明がない。満足のいく支給額かどうかはすぐには判断できない」と困惑する。お中元シーズンに入って扱う荷物が増え、例年以上に外部の業者に運送を委託したという。「休憩は取れるようになったが、会社側の負担も増えているはず。『働き方改革』で抜本的に業務を変えられるのか不安だ」と話す。

 ヤマトHDは「勤務実態の大勢が判明した」(広報)として、全社的な調査は終えたとしている。今後は未払いの疑いがある社員が見つかれば、そのつど調べるという。ただ、「大勢が見えてきた」(幹部)として、4月に調査結果を発表した後、追加調査で約1万2千人、計約40億円の残業代未払いが見つかった経緯もある。これで「幕引き」となるかは不透明だ。(贄川俊、内藤尚志)