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書評:「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」西原理恵子・著

 昔のサイバラはトガってた。自分を「誰にでも嚙(か)みつく犬」に譬(たと)え、政治家から名店や画伯まであらゆる権威を吠(ほ)えて嚙み、その姿が風刺や批評となって嚙まれた相手も笑わせる「野良漫画家」だったのだ。そんな彼女が実生活を描く『毎日かあさん』でブレイクし、アニメやエッセイに進出する一方、人口に膾炙(かいしゃ)するにつれ毒気も抜けてちびっと丸く、かつて自身が揶揄(やゆ)した相手に近づくようにも見えた。

 西原理恵子に限らず、創作者のそうした歩みを読者はしばしば「変わった」「劣化」などと呼び、売れたことの弊害と捉える(僕もそう思った)。だが「女の子」への人生啓発の枠組みで娘との関係を軸に半生を告白した本書には、恋人への依存癖やアルコール中毒の前夫の言葉の暴力、隣人トラブルに起因する鬱(うつ)等々、ひとりの女性としての彼女を襲った出来事が、作風の変遷の背景に浮かんでくる。

 全米ベストセラーで今年邦訳も…

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