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 中国の民主化を訴え、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波(リウシアオポー)氏が亡くなった。事実上の獄死である。経済が発展し、国民の権利意識が高まれば、民主化が進むとの期待もあったが、中国が世界第2の経済大国になっても、共産党一党支配は揺るがない。なぜ中国では民主化が進まないのか。(古谷浩一・中国総局長)

 劉氏が亡くなった翌日の14日、北京中心部にある天安門広場に行った。1989年、民主化を求める学生らを前に、劉氏が銃をたたきつけ、非暴力での民主化運動を訴えた場所である。

 広場はいつもと同じように、多くの観光客でにぎわっていた。地方から来た人たちに、「劉暁波」と書いたメモを見せて尋ねた。「知ってますか」。みなけげんそうに首を振った。

 共産党政権は劉氏に関する情報や党に批判的な言論を徹底的に消去している。市民がお金を稼いだり、海外に行ったりする自由は広げる一方で、共産党に異論を唱える人々に対しては自由を奪い、私的な会合も許さない。北京の外交筋は「習近平(シーチンピン)指導部になって、言論状況はさらに悪化した」と口をそろえる。

 それでも劉氏は獄中で約8年間…

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