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 滋賀大会は10日目の21日、3回戦4試合があり、第1シードの彦根東が、今春選抜大会に出場した滋賀学園を退けた。長浜北星は北大津を破り、1県1代表制になった第61回大会以降初の8強。水口東、八幡商も攻守がかみあい、準々決勝に進出した。22日は残りの3回戦4試合があり、8強が出そろう。

自分らしく投げて 滋賀学園 神村君→宮城君へ

 「思いっきり投げてこい」。試合前のベンチで神村月光君(3年)は先発の宮城滝太君(2年)に声をかけて送り出した。

 エースとして、140キロ台の直球と変化球を武器に、昨春と今春の連続の選抜大会出場に貢献した。

 だが今春、腰痛が襲った。冬場の走り込みで太ももの内と外の筋肉のバランスが崩れたことが原因だという。キャッチボールだけでも激痛が走った。

 選抜では1回も投げず、春の県大会ではベンチ外となった。「初めての挫折だった」。受け入れられず、気づいたら無言で、いつもの笑顔も消えていた。

 だが、思うように投げられなくても、仲間は「自分たちが守る」と声をかけ続けてくれた。治療のためにコーチが奔走してくれた。「みんなから支えられて投げている」と実感した。

 リハビリに励み、5月中旬に練習試合に復帰。この夏、再び背番号1を託された。ただ痛みは消えないまま。「チームに申し訳ない」。悔しさとエースとしての責任を感じながら、自分にできることを考え、試合ではマウンドに立った気持ちで、ベンチから後輩投手にアドバイスを送り続けた。

 「落ち着いていけ」「押していけ」。この日登板した2人は、四回以降無安打に抑えた。

 神村君は、最後の夏に登板できなかった。試合後、「けがでつらかったけど、みんなで3年間ずっと野球ができて、楽しいことのほうが多かった。自分の3年間を表すのは涙ではなくて笑顔」と悔しさをにじませながらも笑顔で話した。

 「大変なこともあると思うけど、宮城には、支えてもらっていることを忘れず、自分らしさを見失わずに投げてほしい」。宮城君は「先輩の悔しさを自分が結果を残すことで晴らしたい」と誓った。(石川友恵)

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