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 1969年に人類初の月面着陸に成功した米アポロ11号の故アームストロング船長が持ち帰った月の砂入りのバッグが20日、ニューヨークで競売にかけられ、約180万ドル(約2億円)で落札された。貸出先の博物館で起きた着服事件に巻き込まれ、当局が押収品の一つとして誤って売却。995ドルで一般女性の手に渡っていたという。

 競売は、48年前に月面着陸が行われた7月20日を記念して競売大手サザビーズが企画した。落札者は公表されていない。バッグは長さ30センチ、幅20センチ。当時の宇宙服などに使われた特製の布などでできている。チャックで封じられた内側には、月面で採取した微量の砂が入っているという。

 米メディアによると、バッグは30年以上前、カンザス州の民間博物館に貸し出した展示品にまぎれていたとみられる。当時の館長が展示品などを不正に売却する事件を起こし、有罪判決を受けた。当局はバッグを元館長の個人の収蔵品と誤り、被害金の賠償に充てるために売却。「月の砂入り。ミッション不明」などとしてネット競売にかけられたが、想定した2万ドルでは買い手がつかず、15年にイリノイ州の愛好家の女性が20分の1以下の安価で落札した。

 女性は落札後、米航空宇宙局(NASA)に鑑定を依頼し、アポロ11号が持ち帰った貴重品と判明。所有権をめぐり女性と訴訟になったが、連邦裁判所は今年2月、女性の所有を認める判決を出した。(ワシントン=小林哲