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 ヒョウタンで地域活性化を目指してきた福知山市の三岳(みたけ)地区でこの夏、最後のヒョウタンが育っている。地区で唯一の栽培農家、同市喜多の有(あり)町子さん(79)が高齢のため、今年で栽培をやめるからだ。有さんは「ヒョウタンはこの地域を元気にしてくれた。これからは別のもので元気にしていくために、地域で何ができるか考えていかないと」と語る。

 三岳地区のヒョウタン作りは1993年に始まった。有さんもこの年に栽培を始め、最盛期には100戸ほどがヒョウタン作りを競ったという。収穫したヒョウタンで民芸品や置物などを作り、販売。全国のヒョウタン愛好家が集まる催しや、ヒョウタンを楽器として使ったコンサートも開かれ、それまで静かだった山間の同地区は盛り上がったという。

 だが、栽培農家の高齢化が進み、数年前からヒョウタンを作るのは有さんだけに。炎天下の草刈りや農薬散布、ヒョウタンを育てる棚作りなど重労働も多く、体力的に厳しくなった。周囲からは惜しむ声も多くあったが、「年が年なので、元気なうちにやめておこうと思った」。

 長さ25メートル、幅6メートルの栽培棚には現在、「千成」など3種類のヒョウタンが計200個ほど実る。なかには丈が約60センチの大物もぶら下がっている。9月に収穫予定で、乾燥した後、焼きごてで絵を描いたり、透かし彫りを施して民芸品にするという。有さんは「栽培はやめるけど、ヒョウタンを使った民芸品作りは続けたい」と話している。(横山健彦)