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 19人が殺害され、27人が重軽傷を負った事件から26日で1年を迎えるのを前に、障害者施設「津久井やまゆり園」設置者の神奈川県や指定管理者の社会福祉法人「かながわ共同会」などが24日、合同で追悼式を開いた。相模原市内のホールに遺族ら約670人が集まり、亡くなった19人を悼んだ。

 入倉かおる園長は追悼の辞で、「園の地に降り立って身を置くと、あなたの息吹を感じます。風に吹かれると、あなたのしぐさがよみがえります。朝の日差しがまぶしい時、あなたの笑顔を思い出します」と涙ながらに読み上げた。「きっと1年が過ぎても悲しみは続くでしょう。それでも私たちは、目の前にいるお一人おひとりに寄り添って、あの日の前まで繰り広げられていた暮らしを取り戻すために誠心誠意尽くしていきます」と誓った。

 黒岩祐治・県知事は式辞で、「事件を風化させてはならない。園の再生に向けて全力で取り組む」と述べ、犠牲になった19人のエピソードを紹介。「満開の桜の中で甘酒を楽しんだあなた」「母から水着をもらって喜んでいたあなた」と語りかけた。壇上には、入所者が折り紙で作ったやまゆりの花が供えられた。

 事件で姉(当時60)を亡くした男性(58)は参列後、「1年が経ち、少し気持ちの整理が出来た気がします」と落ち着いた表情で語った。「こんなにたくさんの方にあたたかく見守ってもらっているんだと思うと、姉も少しは浮かばれると思う」

 追悼式終了後の会見で黒岩知事は、亡くなった19人の名前の紹介も、遺影を飾ることもできなかったことについて、「日本の現状では許される土壌にないと感じ、県独自では(オープンに)できなかった。とても残念だ」と語った。

 式では塩崎恭久厚生労働相が安倍晋三首相のメッセージを代読。「誰もが自分の夢を持ち、能力を発揮出来て、居場所があって、がんばれる。そういう気持ちになれる日本を目指す」とした。

 園の前では市民向けに献花台が設けられている。(飯塚直人、岩堀滋