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 滋賀大会は25日、準決勝2試合があった。4年ぶりの優勝を目指す彦根東は、水口に逆転勝ち。2年連続優勝を狙う近江は水口東に完封勝ちした。水口、水口東の主戦の好投が光った。決勝は26日午後0時半から皇子山球場である。

 チーム一の俊足を、もっとも勝負強い打者が返す。3試合続けて同じコンビで先制点を挙げ、近江が4年連続で決勝へ進んだ。

 三回2死、二塁に木村龍之介君(2年)を置いて打席は向井地大君(3年)。「まっすぐ1本に絞って振り抜いた。完璧でした」。右中間を抜く三塁打となり、木村君が生還した。

 右打者だった木村龍君は昨秋から、50メートル6秒3の足をいかそうと両打ちに挑戦。冬は左7、右3の割合で振り込んできた。「向井さんが『絶対かえしてやる』と言ってくださっている。回せば何とかしてくれると信じています」。この日は対左腕で右打席。七回には右翼線二塁打を放ち、1死一、三塁から向井君の三ゴロで再び本塁を踏んだ。この夏2人で奪った6点目になった。

 水口東も、初回にはこのコンビを止めた。木村龍君を三塁においての一回1死、向井君の右飛を鵜飼崇正君(3年)が本塁へ直接返球してタッチアウトに。鵜飼君の失策で三塁に進んでいた走者だった。「(ミスを)取り戻せてほっとした」

 主戦瀬古は毎回走者を出しながらも粘り抜き、4試合を投げきった。

 初戦以来の先発となった近江の香水も譲らず、4安打完封。得点圏に走者を背負ったのは八回の一度きりだった。昨夏は好打の外野手として活躍しながら、準決勝で負傷。甲子園のベンチに入れなかった。多賀章仁監督は「昨夏の悔しい思いをぶつけてくれるだろう」と期待をかける。

 向井君は「残塁が多く、投手陣に頼りすぎ。決勝は最初から打線が頑張って、彦根東の守りの野球を打ち崩したい」と力を込めた。

自分たちを越えて甲子園へ 水口東 瀬古君→穴田君へ

 水口東の選手たちが一塁側の選手出入り口から球場外に出て保護者らに深々と礼をし終わると、左腕瀬古創真君(3年)は、帽子のつばで目を隠し、泣き崩れた。選手たちはこぞって肩をたたき、エースをねぎらった。

 4試合36回計530球。全試合を1人で投げ抜いた。直球とスライダー、カーブなどの変化球を低めに制球し、チームを初の4強に導いた。この日も四死球を出しながら要所を抑え、試合をつくった。

 2年の穴田雄也君は「もう一緒に野球できないんだな」と思うと、声をかけられず、ただ瀬古君の姿を見つめるだけだった。

 同じ左腕の穴田君は「何でも吸収してやろう」と、瀬古君に何でも聞いた。変化球の握り方、フォームの修正……。そのたびに瀬古君は身ぶり手ぶりを交えて教えてくれた。

 熱心に質問してくる「かわいい後輩」に、瀬古君は「自分以上の結果を残して、来年は甲子園に行ってほしい」と話した。

 穴田君は、心のなかでつぶやいた。「熱心に教えてくれてありがとうございます。瀬古さんを超えるエースになって、先輩の上を目指します」。思いは、時間をおいて、直接伝える。(仲大道)

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