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 マレーシアとインドネシアのボルネオ島の熱帯林に生息するオランウータンが、過去10年間で約25%減ったとする調査結果を、国際共同研究チームが発表した。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに7月、論文が掲載された。国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に分類されているオランウータンの生息数が、なお減っている実態が明らかになった。

 研究チームは、ヘリコプターで上空から調べるとともに、島内540の村で地域住民に聞き取り調査を実施。その結果、インドネシアの西カリマンタンでは過去10年間に29・4%減少、中央カリマンタンは24・9%減少、東カリマンタンは22・4%減少、マレーシアのサラワクでは22・2%減少などが推定された。全体では25・3%減少したと見積もられた。100平方キロメートルあたりの推定生息数は、1997年から2002年は約15個体。09年から15年は約10個体に減っていた。

 オランウータンはマレー語で「森の人」。研究チームによると、オランウータンの生息率は森林の広がりと明確な関係がある。生息数の減少の背景には、農地や鉱山の開発による森林減少や、食用や違法取引のための狩猟があるとみられている。(神田明美)