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 韓国・釜山沖で昨年1月、博多港行きの高速船がクジラとみられる海洋生物とぶつかった事故があり、国の運輸安全委員会は27日、報告書を公表した。乗務員が必要な見張りをせず、海洋生物の発見が遅れたと指摘。委員会は船会社に、クジラ対策を徹底するよう勧告した。

 事故は昨年1月8日、釜山発の高速船「ビートル」(乗員乗客191人)で発生、乗客3人が骨折した。

 報告書によると、現場海域では事故の数日前にクジラが目撃されていた。そのため、船会社のJR九州高速船(福岡市)は船長らに、速度を落とし見張りを強化する「警戒航行」を指示したが、船長は見張り強化やワゴン販売の中断など必要な指示を乗務員に出していなかった。販売中の乗務員は転倒して頭などを打ち、購入したコーヒーがこぼれて手をやけどした乗客もいた。

 同社にはクジラ対策の社内規定がなく、別の船長たちも警戒航行を徹底していなかった。委員会は、規定の設置を勧告した。(伊藤嘉孝)