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 「漁師の勘」に頼らなくても、いつどこに行けば水揚げできるかを精度良く予測するシステムの開発に、九州大と長崎、佐賀、福岡の3県が乗り出した。漁場予測が難しい沿岸漁業向けでは世界でもほぼ例がないという試みが、九州北部の海を舞台に進んでいる。

■海水温などデータ化

 スマートフォンで九州大の海況予報実験のページを開く。すると、九州から朝鮮半島までの地図の上に、水深50メートル、100メートルでの水温と塩分濃度の分布が、色のグラデーションと等高線のような白線で示された。水深90メートルまでの潮流の向きと強さを、4色の矢印をびっしり並べて表示するページもある。当日から翌日までの状況を予報したデータマップだ。

 いまはまだ人工衛星の観測データなどに基づく理論的な予報。今後は、漁船に取り付けた観測装置でとらえた海中の水温などを、スマホやタブレットを通じて送信。九州大応用力学研究所のスーパーコンピューターで解析し、精度を高める。昨年度は沿岸の約50漁業者が協力し、現場のデータを集める試験をした。

 衛星や観測船などのデータから、広域の潮流を予報するモデルは既に開発している。だが、沿岸に近ければ近いほど、流れ込む川の水や地形、海流などの影響が入り組んで、精密な予報は困難だった。今回は、漁船のよりきめ細かい観測をいかして、沿岸までの詳細な予報を可能にする。0・5キロ四方で3日先まで予報できるよう実験中だ。

 海水温や潮流だけではない。長崎県総合水産試験場、佐賀県玄海水産振興センター、福岡県水産海洋技術センターはそれぞれ、「明日どこが漁場になるのか」を予測し、地元の漁業者に絞って提供するところまで目指す。九大がはじき出す海況予報と、過去の漁獲実績、魚が好む水温や塩分といった研究成果を組み合わせる。まずは、ケンサキイカ、マアジ、トラフグなど5種類を対象にする。

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