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 国立がん研究センター中央病院(東京都)は31日、肉腫や悪性脳腫瘍(しゅよう)など、患者数が極端に少ない希少がん患者の遺伝情報(ゲノム)を網羅的に調べて新薬の研究開発などにつなげるプロジェクトを開始したと発表した。

 製薬企業11社と共同で取り組む「マスターキー・プロジェクト」。京都大学病院も参加する。患者の遺伝子の情報や診療情報を収集し、研究の基礎となるデータベースをつくり、病態の解明を進める。効果のある薬や物質の探索も進め、臨床試験につなげていく。同病院は今年5月から患者登録を開始している。

 希少がん患者は、人口10万人当たり6人未満で、診療上の課題が大きいものと定義される。がん全体の15%程度で約200種類ある。個別の患者数が少なくまとまった診療データが乏しいため研究開発や臨床試験の実施が困難だった。プロジェクトは、どこで発生したかわからない原発不明がんなども対象にする。

 同センターの中釜斉理事長は「希少がん患者の全体的把握は困難を極め、薬の開発も遅れている。積極的に新しい薬を開発していきたい」としている。(服部尚