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 森の妖精とも呼ばれる植物は、ゴキブリに種子を運んでもらい、新しい生活場所へ移っていた。そんな意外な関係を、熊本大の研究チームが解き明かし、英植物学専門誌に報告した。

 日本各地に分布する、白銀の幻想的な姿をしたツツジ科のギンリョウソウ。キノコに似た見た目から「ユウレイダケ」の別名もある。特定の菌類から栄養をもらい、光合成をしないという不思議な生態でも知られるが、種子がどう運ばれるかが不明だった。

 チームは実をつけたギンリョウソウを約30日間、カメラや人の目で観察。モリチャバネゴキブリというゴキブリだけが実を食べて、フンとともに種子を排出していることを発見した。食べられた後の種子は、食べられなかったものと発芽する可能性が同程度だったという。

 このゴキブリはほかの実も食べるが、ギンリョウソウは「ゴキブリだけが頼り」のようだ。人間には嫌われがちなゴキブリだが、「妖精」や「ユウレイ」には欠かせない魅力があるのかもしれない。(小坪遊)