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 テニスの神様への祈りが通じた――。29日の全国高校総体ソフトテニス女子団体で2連覇を達成した文化学園大杉並(東京)には、とっておきのルーティンがあった。

 「ネットインしますように」。そう思いを込め、試合前に両手でネットに触れる。そして、5秒間目を閉じる。

 「テニスの神様にお祈りしているんです」。同高卒業生で顧問でもある武元望美教諭(37)はそう明かす。武元教諭が東京女子体育大学に在籍していた時、恩師から教えてもらったという。2007年に母校に赴任した際、「みんなで戦うモードに入るスイッチになれば」と提案した。

 声を出さないのがルール。気持ちを一つにする意味も込めている。選手たちは「ネットインしますように」以外にも、「良いイメージでできますように」「思い通りにできますように」などと祈っている。

 昨年の決勝では、3番手のペアが最後にネットインで初優勝を決めた。昨年の優勝も経験した宮下こころ(3年)は「先輩たちの思いがネットイン、勝ちにつながったと思う」と振り返る。

 今年は2回戦からの登場。準々決勝の相洋(神奈川)戦は、前日に個人2連覇を達成した宮下、主将の林田リコ(3年)組が2ゲームを先取される苦しい展開。「サーブレシーブが崩れていた。焦りもあった」(宮下)。それでも、「挽回(ばんかい)できる」と声を掛け合うと、ネットインやスマッシュが決まり、最終ゲームまでもつれた試合を制して勢いに乗った。

 三重との決勝では、宮下は「日本一の瞬間のみんなの笑顔」を思い浮かべて祈ったという。そのイメージ通り、優勝の瞬間、選手みんなの笑顔がはじけた。(大坂尚子)