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 経営危機だったシャープが鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)に買収されてから、12日で1年になる。鴻海の資金力や販売力を生かし、業績は持ち直してきた。ユニークな商品を次々に世に送り出してきたものづくり企業は、復活できるのか。

 大阪府に住む50代の男性は、シャープの営業マンだった。「超一流」とまではいかないが、次々に発売される商品の面白さが気に入り、入社した。繰り返し見舞われた経営危機のときも前向きに自社製品を売り歩き、最後は営業部門の幹部になった。

 「消費者と向き合うノウハウを、鴻海は持っていないのではないか」

 昨夏、漠然と抱いた不安は的中した。販売戦略を確認する会議で求められたのは、分野ごとのシェア(市場占有率)目標の達成だ。具体的な商品計画は示されず、出席者のトップは、「コミット(必達)せよ」と繰り返した。

 意見を言おうとすると、直属の上司に止められた。

 「言うことを聞くしかないんや…

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