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 全身の筋肉に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の治療薬の候補を京都大のチームが発見し、1日、京都大付属病院など4施設で治験を始めると発表した。研究チームは「iPS細胞を活用した創薬研究で、医師が主導する治験が行われるのは世界で初めて」としている。

 京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の戸口田淳也教授(再生医学)らのチームは、FOPの患者から皮膚の細胞を採取してiPS細胞を作った。この細胞を使って約7千種類の化合物から病気の進行を抑える薬剤を絞り込んだところ、免疫抑制剤の「ラパマイシン」に効果があることが確認された。

 この薬を使った治験計画をすでに京都大付属病院の審査委員会が承認しており、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に計画を届け出た。治験は京都大、東京大、名古屋大、九州大の計4施設で6歳以上の患者20人を予定している。

 FOPは筋肉や靱帯(じんたい)などの組織の中に骨ができる難病で、根本的な治療法がない。200万人に1人が発症し、国内の患者は約80人とされる。

 様々な細胞に変化できるiPS細胞を活用した医療では、細胞や組織を再生して患者に移植する「再生医療」のほか、患者の細胞などから病気の状態を再現して治療薬の候補を探し出す「創薬」も柱の一つ。筋力の低下などの症状を起こす難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」など、今後様々な病気の治療薬の開発に役立つと期待されている。

 戸口田教授は「FOPに対する有効性と安全性を検証したい」と話している。(西川迅)

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