[PR]

 保育事故で息子を亡くし、悲しみに押しつぶされそうだった母はある日、写真を学び始めた。対象に選んだのは、息子の遺品。あまりに突然で受け入れられなかった喪失と向き合った。

 埼玉県上尾市の榎本八千代さん(49)は昨年、長男、侑人(ゆうと)君のおもちゃや服をしまった箱を取り出した。

 不妊治療で授かった待望の息子だった。2005年8月10日、通っていた市立保育所で、本棚の中でぐったりした状態で発見され、熱中症で亡くなった。4歳だった。

 「子どもの死は、残りの人生の死だった」。八千代さんは、裁判と、わずかな希望を託した不妊治療以外、ほとんど家から出なくなった。

 民事裁判では、保育士らが子どもたちの行動把握を怠っていたとして、市の過失を認める判決が出た。子宮外妊娠や流産を経験し、不妊治療はあきらめた。「次にやること」がなくなり、何をしていいのかわからない。保育事故をなくすための活動にもかかわったが、むなしくなった。「どんなに頑張っても、あの子は戻ってこない」

 思い立ったのが大学進学だ。高…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら