【動画】「くまモンのフランス出張 夏」アンコール特集、音楽は新垣隆さん
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くまモンのフランス出張:番外編

 くまモンのフランス訪問に、朝日新聞デジタル編集部記者の私が同行するのは昨秋に続いて2度目だ。世界遺産から最新観光スポットまで、いくつもの街や施設を取材し紹介するチャンス……なんという幸運だ。しかし出張が決まって以来、私は「今度は音楽をどうしよう」と悩んでいた。動画で紹介する以上、音声が欲しい。しかしくまモンは……いつも無口なのだ。

 言葉を発しなくとも、体をいっぱいに使ったボディーランゲージで世界の誰とでも通じ合えるのがくまモンの魅力だ。だがせっかくのフランス訪問を映像にまとめるには、無言劇のままでは味気ない。テロップに頼るのも限度がある。場面を前に進める原動力として、何らかのBGMの助けが必要だと感じていた。

前回はハイドンの交響曲で乗り切る

 というわけで、前回は熊本県側の許可を得てくまモンのテーマソング「くまもとサプライズ」と「ハッピーくまモン」フランス語版、そして著作権フリーのハイドンの交響曲第82番「くま」(この曲はパリで作曲されている)を用意して臨んだ。

 くまモンの動画は毎回とても人気がある。読者の期待が分かっていながら、同じことを繰り返すわけにもいかない。はたと思いついたのが、以前取材を通じて知り合った作曲家の新垣隆さんだった。

新垣隆さんに「フランスくま曲」を発注する

 2014年に他人のゴーストライターをしていたことを自ら明かし、なぜかその後思わぬかたちでお茶の間の人気者になってしまった新垣さんについて今更ご紹介の必要はなかろう。ピアノ即興演奏の名手でもあり、無声映画の伴奏活動でも知られる新垣さんは、もの言わぬくまモンを代弁する音楽の創作には適任であるように思えた。

 思いついたら止まらないのが私の悪いところだ。タイトルを勝手に「フランスくま曲」と決めてビデオ用音楽の新作をお願いしたところ、相当面食らわれただろうが快諾してくださった。テレビでバラエティー番組の求めるままに様々な芸をさせられる羽目になった、新垣さんのふところの深さに甘えてしまった気がしないでもない。朝日新聞デジタルとしても、社外の方に原稿でなく作曲を頼むのはもちろん初めてだ。「テーマはフランスと熊、熊本。エクサンプロヴァンスやマルセイユ、パリなど渡航先をイメージした楽曲を」。私のおおざっぱな依頼に、新垣さんは最高の音で応えてくれた。それも、何曲も。

 録音スタジオで、エリック・サティをほうふつさせるサロン風の三拍子の楽曲(これまた勝手に「小熊のワルツ」と命名)を最初に聴いたとき、川のようにたゆたうリズムとあふれるフランス風エスプリにため息が出た。これとは別の、マルセイユ用に国歌「ラ・マルセイエーズ」を引用した楽曲では、「風がとても強い所だそうです」と聞きかじりを伝えたところ、流麗なアルペジオで吹きすさぶ強風をすかさず演出。この曲を携えて現地に赴いた時には、あまりの違和感のなさに驚いた。熊本民謡の定番「おてもやん」や、私が昨秋ボージョレで耳にしたフランスの宴会ソングの旋律も自在に織り込まれ、音楽家の才能の底知れなさにただただ恐れ入った。

幻の「ポール・くまモーリア」

 しかし、調子にのってやり過ぎ…

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