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 在沖米海兵隊のオスプレイMV22が5日、オーストラリアで墜落し、3人が行方不明になった。国内では昨年12月に沖縄県名護市で同型機が大破する事故が起きており、沖縄県側の反発は必至の情勢だ。さらに、沖縄の基地負担軽減を目的にオスプレイの訓練は全国に移転が進んでおり、各地の訓練や配備計画に影響を与える可能性がある。

 沖縄・名護では米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属のオスプレイ1機が大破する事故があったが、米側は空中給油機から給油を受ける際、オスプレイのプロペラが給油ホースに接触して損傷したことが原因と説明。日本政府も了承し、事故から1週間足らずで飛行を再開した。当時、沖縄県は「原因が究明されておらず、拙速だ」と反発しており、今回の事故で飛行の安全を懸念する声は一層高まりそうだ。

 米軍普天間飛行場に隣接する沖縄国際大の前泊博盛教授は「名護市で事故が起きた時も、米軍や日本政府は沖縄側の不安を軽視し、『安全だ』とアピールして6日後に飛行を再開させた。最近は深夜のつり下げ訓練など危険な訓練を何もなかったかのように県内各地で行っている。その中で起きた今回の事故。県民の不信は、オスプレイに対してだけでなく、日米両政府に対して、より深まるだろう」と話した。

 日米の外務・防衛当局者による昨年9月の合同委員会の合意にもとづき、国内各地で行われている共同訓練にも影響を与える可能性がある。今月10~28日には米軍普天間飛行場に配備されているオスプレイ6機が参加する日米共同訓練が北海道内で予定されている。道内でオスプレイが参加する訓練は初めて。

 北海道大演習場と上富良野演習場間を広範囲に飛行するとみられるが、飛行ルートなどは「米軍の運用にかかる問題」として詳しく明らかにされておらず、市民団体「北海道平和運動フォーラム」(札幌市)は、訓練の中止を求めて、北海道防衛局と道、演習場に隣接する各市町村に文書で申し入れた。道と演習場の地元9市町は3日、安全管理の徹底を求める要請書を北海道防衛局に提出した。

 上富良野演習場へのオスプレイ飛来に反対する旭川市の市民団体「旭川平和委員会」の由井久志事務局長(44)は「オスプレイの安全性に問題があることが改めて明らかになった。墜落の原因がはっきりするまでは訓練で飛ばさないでほしい。事故を受けて道民の不安はさらに強くなる」と訴えた。

 一方、陸上自衛隊が導入するオスプレイでも、佐賀空港への配備計画をめぐって地元漁協が事故などを懸念して反対している。(相原亮、坂東慎一郎、上遠野郷)