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 核兵器禁止条約の歴史的採択から初めて迎えた、広島原爆の日。しかし安倍晋三首相は6日の平和記念式典で、条約には一切触れなかった。唯一の戦争被爆国として、核廃絶で世界をリードする覚悟と戦略は日本政府にあるのか。平均年齢が81歳を超えた被爆者は、不信と怒りを募らせる。

 6日午前、広島市内のホテル。安倍晋三首相らが被爆者の代表から要望を聞く会で、広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄(ゆきお)事務局長(88)は、核兵器を法的に禁じる核兵器禁止条約に対する日本政府の姿勢に、強く反発した。

 「核兵器禁止条約は被爆者の悲願であり、世界各国の大きな喜びだ。ところが、被爆国である日本が署名しないという、驚くべき態度をとった。満腔(まんこう)の怒りをもって抗議する」

 国連に加盟する193カ国中、122カ国の賛成で核兵器禁止条約が採択されたのは7月。米国の「核の傘」に頼る日本政府は、核保有国が参加せず、北朝鮮が核・ミサイル開発を進めていることから、「現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」(高見沢将林〈のぶしげ〉・軍縮大使)と、条約の意義を否定してきた。

 松井一実・広島市長は6日の平和宣言で「条約の促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡し」に本気で取り組むよう求めた。もう一つの被爆地・長崎市の田上(たうえ)富久市長はさらに踏み込み、9日の平和祈念式典で読み上げる平和宣言で、日本政府に条約参加を強く要請するという。

 国連のアントニオ・グテーレス事務総長(ポルトガル出身)は日本政府とは対照的に、この日の式典で、核兵器禁止条約を高く評価するメッセージを寄せた。

 中満(なかみつ)泉(いずみ)・軍縮担当上級代表(事務次長)が代読したメッセージは、条約採択を「世界的な運動の結果」とし、「被爆者の方々の英雄的な努力は核兵器がもたらす壊滅的な影響を世界に強く印象づけ、核兵器廃絶を目指す運動に貴重な貢献をした」と称賛。ひときわ大きな拍手を浴びた。

 核廃絶の推進に大きく影を落と…

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