皆さんは、ボンボニエールをご存じでしょうか。皇室の慶事の祝宴の引き出物などとして配られてきた「菓子器」です。縁起の良い文様や時代を反映したデザインが施された、手のひらサイズの愛らしいボンボニエール。普段あまり目にする機会のない数々の作品を、歴史や各時代の特徴とともに紹介する展覧会「皇室とボンボニエール―その歴史をたどる」が、皇居・東御苑内の宮内庁三の丸尚蔵館で9月10日まで開かれています。皇室の交流の歴史やデザインに込められた思いなどが詰まったボンボニエールの世界を詳しくご紹介します。

 ボンボニエールは、砂糖菓子を入れるふた付き容器を意味するフランス語(bonbonniere)が語源です。宮内庁によると、皇室では明治20年代以降、結婚など慶事に伴う祝宴の引き出物として小さな容器に金平糖などの菓子を入れて配るのが慣習になりました。これは現在まで約130年引き継がれ、皇室の伝統となっています。宮内庁の明治期の記録には「御菓子器」「銀製御菓子器」などの記載を始め、1900(明治33)年には「ボンボンニー」、11(同44)年には「ボンボンニエール」、大正・昭和期には「ボンボニーエル」「ボンボンニェー」など様々な表記が確認できます。一般にボンボニエールという言葉が広く知られるようになったきっかけは、秩父宮妃の勢津子さまが91(平成3)年に出版した著書「銀のボンボニエール」でした。

 ボンボニエールからは、時代ごとの特徴やゆかりの人物に関する手がかりが確認できます。明治期から多くのボンボニエールに紋章が施されていますが、これは祝宴の主催者を表しています。天皇家の紋章である菊花紋章は、天皇陛下や皇后さまあるいは皇太后さま、または皇太子さまが催した祝宴に伴った品であることを意味します。また、皇族方が身の回りの品につけるシンボルマークの「お印」が採用されるケースも多く、誰にゆかりのものかを示す重要な手がかりになります。昭和初期には、皇室だけでなく華族の結婚披露宴で記念品として配られるなど、使用範囲は広がっていきました。

 今回の展覧会では96年に旧秩父宮家から、そして2005年に旧高松宮家からそれぞれ遺贈されたボンボニエール計165点を前期、後期であわせて展示。同館学芸室主任研究官の五味聖(ひかる)さん(45)によると、明治から平成にわたってこれだけの品々を紹介する機会は珍しく「皇室ならではの魅力ある造形美として、一つの領域を形作っている。時代順に見て頂き、歴史や芸術を感じてもらえれば」と話しています。

 秩父宮家は、大正天皇と貞明皇…

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